関節リウマチについて
関節リウマチとは?
関節リウマチとは、免疫の異常によって関節に炎症が起きることで関節の痛みや腫れが生じる病気です。進行すると、関節の変形や機能障害を起こします。日本では約70万〜100万人の患者さんがおられるとされ、男女比は約1:4、多くは40〜60代で発症しますが、どの年代でも発症し、最近では高齢で発症する方も増えています。
関節リウマチの原因
未だに不明ですが、遺伝的要因や、喫煙・歯周病など環境要因の関与も言われています。
関節リウマチの症状
- 関節の痛み
- 関節の腫れ
- こわばり
- 腱鞘炎
- ばね指 など
関節リウマチの診断
問診、触診、血液検査、関節エコー(超音波)、レントゲン検査、尿検査を組み合わせて、同じような症状をきたす病気を省きつつ、総合的に判断します。 一度、関節破壊が進んでしまうとそれを元に戻す事はできない為、早期発見・早期治療することが重要です。
関節リウマチ治療の目標
関節リウマチは「治る」病気ではないため、お薬で症状を抑えながら長く付き合っていく事になります。症状がほぼ消失し、病気をコントロールできている状態(寛解)を目指して治療を続けていくためには、定期的な通院が欠かせません。
関節リウマチの治療
基本的にはメトトレキサートを使う事になりますが、肺の状態や腎機能によっては使えない方もあります。その場合には、その他の抗リウマチ薬を使って治療を開始し、副作用に注意しながら経過をみていきます。
薬の効果が出てくるのは早い方で1ヶ月、通常2〜3ヶ月かかります。治療開始後3ヶ月で効果判定を行いますが、「効果不十分」と判断された場合には、「生物学的製剤」や「JAK阻害剤」を使って治療していきます。治療に対する患者さんの思いを尊重しつつ、じっくり相談して決めていきますので、もっと詳しく知りたい事、ご不安な事など、いつでもお気軽にお尋ね下さい。
関節リウマチの治療薬
関節リウマチの治療をする為の主なお薬
- 従来型合成抗リウマチ薬
- 生物学的製剤
- JAK阻害剤
関節リウマチの痛みや炎症を抑えるお薬
- 消炎鎮痛薬
- ステロイド
関節リウマチの合併症
関節リウマチの合併症は、関節リウマチに伴うもの、他の病気の合併(感染症など)、薬の副作用によるものがあります。合併症には色々ありますが、中でも肺炎には注意が必要で、発熱やひどい咳や息切れが出てきたら、要注意のサインです。また、関節リウマチ治療中は免疫を抑える薬を使用しますし、特にJAK阻害剤使用中には、帯状疱疹への注意も必要です。異変に気づいて早期発見・早期治療介入する事ができれば重症化を防ぎ、帯状疱疹後神経痛予防にも繋がります。
インフルエンザや肺炎・帯状疱疹などの予防接種を受ける事も大切です。日頃から、口腔ケアやフットケアなどの感染予防を行うとともに、禁煙もとても重要になります。
治療中に何か気になる症状があれば、軽い症状でもかまいませんので、当院までご連絡いただき、ご相談下さい。
参考:リウマチ専門医・指導医としての視点