演説

  • 2025.05.10

 本日は今朝の朝礼の内容を紹介しましょう。 

 今までブログでも何度も述べている通り、クリニックの目標として「1000人のリウマチ患者さんを幸せにすること」を挙げている。しかし、1000人の患者さんを診たとしても、その患者さん全員が幸せになるとは限らない。医師法で応召義務が定められている以上我々に患者さんを選択する権利はないが、患者さんが当院を選択し門を叩いてくれた以上、医師としてそしてリウマチ専門医・指導医として、患者さんの幸せと考えることを提供するのみである。その結果、患者さんが「自分とは肌が合わない」と感じたならば、患者さんは自ら去っていくであろう。仮に患者さんが十分満足感がないにも関わらず、当院に留まるという消極的選択をしたのであれば、それはよりよい医療機関がないという判断であるか、もしくは単に決断ができないという患者さんの内因的なものが原因であろう。したがって、私は「患者さんを幸せにする」と言っているものの、当人の幸せは当人が判断することであるから、この一方的な愛で良いのではないかと思っている。

 では、1000人という数字で満足して良いのだろうか?現在当院に通院中のリウマチ患者さんは350名となったが、この1000人という数字は目標として正当なものであろうか?医師1人で1000人診ることができれば、その数字は確かに国内でみてもトップクラスではある。しかし、仮に1500人診るというシステムが構築できれば、500人の患者さんをさらに幸せにすることができるわけである。前述のように患者さんの幸せは患者さんが決めることであるが、その中には確実に他院から当院へ移ることにより幸せを感じる患者さんがいるわけである。そう考えると、1000人という数字で満足することはリウマチ専門医・指導医として「不作為の罪」ではないかとも思われる。

 対数増殖期に突入した今、我々にはより多くの患者さんを診る強固なシステム作りが求められる。目先、現状にのみ対応可能なシステムはすでに衰退の始まりである。「事前の一策は事後の百策に勝る」我々は未来を見据えて新たなシステムにチャレンジし、そしてそれを構築していかなければならない。これには、既存の概念や常識を疑いそして覆すアイデアそして大きなエネルギーを必要とする。

 昨年末から看護師が受付業務を兼任する体制を開始し現在それが確立されたわけであるが、5/12(月)からは看護師が受付業務だけでなく医療クラークをも兼任した新たなシステム作りに移行する。つまり、一人三役である。一人当たりの労働生産性の向上というものは、強固な組織作りに不可欠な要素である。

 一人当たりの労働生産性の向上により、より多くの患者さんを診ることができれば、それは医業利益の増大という形で我々に返ってくる。医業利益が増大すれば、私はスタッフの給与を上げることができる。つまり、スタッフ一人一人が新たなシステム作りに積極的・協力的となれば、自らの給与が上がることに繋がるのである。私は経営者として、スタッフにとんでもないお金を払ってみたいと思う。以前述べたように、私は自らの私利私欲のために働くことに意味はないと思っている。時計・車・家などに興味はほぼない。私が考える経営者としてのステータスとは、「スタッフにどれだけお金を払えているのか?」である。正直なところ表面的な優しさとかはどうでもよい。雇用関係にある以上、とんでもないお金を払っている自分を誇りに思いたいし、そんな経営者でありたいのである。

 安定なんてものは、新しいことにチャレンジし続けた結果変わり続ける環境に対応できるからこそ得られるものであり、変わらないことを安定・安心と勘違いしているスタッフは当院には要らない。そして何よりも利己的な人間は要らない。私は不要に患者さんに寄せることはしないが、我々のクリニックは一義に患者さんのためにあることを決して忘れてはならない。

 さあ、週明けから新しいステージで頑張ろう!!!