AI電話 ~続報~

  • 2025.06.29

 「AI電話(2025.06.07)」の続報である。先日私はAI電話の契約申し込みを完了した。8月中に導入予定である。

 人は電話が鳴ったら電話を取らなければならないという常識に囚われている。私はこの世の中の常識を180度覆そうと思っている。世の中の電話のどれぐらいの割合が、「まさにその電話をかけた時」でなければならない用事であろうか?たしかに、119番のように「その瞬間」でなければならないものもある。しかし、多くの電話は電話をかける側の都合、そして電話をかける側にとって良いタイミングで電話をかけているものであり、電話を受ける側の都合・タイミングなどほぼ考慮されていない。一方向性で圧倒的にバランスが不均衡であるにも関わらず、不利な受け手側に「電話を取らなければならない」という強迫観念を超えた常識が植え付けられてしまっている。私はここに不条理を感じるのである。

 クリニックにかかってくる電話において、極めて緊急性の高い用件は皆無である。我々はクリニックに来られた患者さんの対応を最優先しなければならない。目の前の患者さんにしっかり対応しなければならないにも関わらず、緊急性のない電話の対応によってそのパフォーマンスレベルが低下する。目の前の患者さんへ提供できるはずであった「失われたパフォーマンス」を、電話をかけてきた人が保証してくれるわけではない。私は、この無形の失われたパフォーマンスの積み重ねは、極めて大きいのではないかと考えるのである。

 私の方針は、徹底した少数精鋭を実現するために必要な環境・システム作りの構築である。組織における固定費のうち、最も多くかつ約半分を占めるものは「人件費」である。この人件費には給料だけでなく社会保険料や福利厚生費なども含まれる。トータルの人件費は抑えながらも最大の利益を生み出す形を作ることにより、スタッフ一人当たりの給与をしっかり上げていく。つまり労働生産性を上げるということである。これは決して有形という意味合いだけでなく、その無形の失われたパフォーマンスの奪還という意味も包含される。

 AI電話は、文句も言わず、笑顔(その発する声からの想像では・・・)を絶やさず、診療時間外であろうが、24時間365日働いてくれる。時給換算すると数十円!!そして、AI電話はこれからもドンドン進化する。スタッフの一員と考えた時にこれほど優秀な人材がいるだろうか?人に置き換えた時に、こんなブラックな労働環境下で、常に「スマイル」で成長する意識を失わない者はいない。

 世の中は常に変化する。そしてその変化の波から人は逃れることはできない。しかし、人は環境に対応できる生き物である。スマホがこれだけ普及する社会を20年前にどれだけの人が予想できたか?現在の常識は数年後には非常識になっている可能性がある。常に頭を使って生きていくのだ!