WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の裏側を観て

  • 2023.12.17

 2週間ぶりの投稿です。世の中は、コロナだけでなく、インフルエンザや溶連菌感染や咽頭結膜熱などが大流行しています。幸い私には今のところ病原体が寄り付かないようでして、無事に診療をさせていただいています。病気にかかっても簡単には休めないですし、代わりになる人もいないので、この点は開業の大きなリスクの一つです。この先20年以上大病なく診療を全うできるかどうかは、自分自身の力だけでどうにかなるものではありません。守っていただいているという感謝の気持ちを日々忘れないでいようと思います。

 さて、昨日テレビでは、日本が優勝したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の裏側を特集していました。いつも自分の身に置き換えて物事をみる癖がありまして・・・そこには断片的なシーンしか映っていませんでしたが、それを観て感じたことは、栗山監督や吉井コーチなどが非常にきめ細やかなコミュニケーションを選手と取っているということでした。シリアスにじっくり相談に乗るというより、ジョークも巧みに入れながらワンフレーズで言葉を投げかけているのです。

 開業医は、組織のトップであると同時に選手でもあります。つまりプレイイング・マネージャーですので、組織のマネジメントだけに集中することができません。しかも、中間管理職的なコーチが存在するわけではありませんので、院長とスタッフとの関係は、緩衝材を挟まないダイレクトなものです。自らの意図を正確にスタッフに伝える必要がありますし、逆にスタッフの気持ちを正確に汲む必要があります。さもなければ、すべて自分に跳ね返ってくるため、よりきめ細やかなコミュニケーションが求められます。

 トップがコミュニケーション能力に長けていれば、その組織もうまく回るはずです。では、コミュニケーション能力を高めるにはどうすれば良いか?それは決して小手先のテクニックではなく、相手の変化を感じ取るセンスを養うこと。それに尽きると思います。無関心では当然相手の変化に気付くことはありません。そのセンスを養うには、『相手への思いやりの心』が根底になければいけないのです。それは夫婦関係でも同じことでしょう。

 開業医には選手として一流であることが求められるのは当然ですが、組織全体をマネジメントする能力も一流でなければ、組織が大きく成長することはありません。そのことを常に肝に銘じながら、来年も頑張っていきたいと思います。