続き:スタッフ向けプレゼンテーション
- 2023.12.30
医師・看護師・受付それぞれの立場での「より質の高い医療」とは何か?昨日は一例として、医師としての立場について書きましたが、本日は受付の立場について言及してみます。
受付はどの医療機関にも存在します。患者さんが建物に入って最初に接するのは受付スタッフですし、診療が終わって最後に接するのも受付スタッフです。受付スタッフは、受付業務をしっかりこなさなければならないのは当然ですが、その言葉かけやおもてなし次第で患者さんの「心の満足度」は大きく変わります。
当院は予約制を採用しております。診療が予約時間から大きくずれ込むことは少ないのですが、30分枠に3人の予約が入っている場合、予約時間が「9時」であれば最後の3人目の診療は9:20頃になることもあります。「9時予約は、診療時間が9:00~9:30」という予約システムの事情を分かって下さっている方が多いのですが、患者さんによっては、予約が「9時」になっているのに何で診療が遅れるの?と思われる方もおられます。
そのような場合、受付スタッフが、待合室におられる患者さんの表情や動きをみながら、こまめに声掛けを行うことにより、待ち時間のストレスを和らげることに繋がります。そのためには、私がいつもブログでも書いていることですが、『感じ取る力(センス)』がなければいけません。五感を働かして、患者さんが醸し出してる雰囲気を感じ取ること。そして、感じ取ったことから自らがどのような行動を取るべきか考える。これが非常に重要です。ですから、受付業務というのは『人間力』が大きく求められると私は考えています。
お客さんの満足度の高い旅館で、スタッフが画一的な対応しかしていないところなどないでしょう。お客さん一人一人のニーズに合わせた対応ができているからこそ、そしてそのニーズをお客さんが自ら口に出さずとも、先にスタッフが感じ取れているからこそ高い満足度に繋がっているはずです。
医療は決して診察室の中の診療行為だけを指すわけではありません。スタッフ全員が、「自分に何ができるのか?」と常に考え続けることが、クリニックとしてのこれからの成長に繋がるのです。