指揮官の特権

  • 2025.09.20

 先日のブログに、私は一日の中で「数十」ものを指示をスタッフに出していると書いた。それは、それと同じ数だけの「決断」があるということでもある。

 「決断」とは「断つことを決める」行為である。複数の選択肢の中からたった一つを能動的に選んでいるように見えるが、たった一つ以外の残り全ての選択肢を迷いなく断ち切る行為に他ならない。

 決断した内容に、世の中の万人が納得する100点満点のものなど存在しない。通常65点、良くてもせいぜい70~80点ぐらいであろう。大事なことは、決断スピードを上げること、そして生じた結果を素早く検証し、修正し、実行することだ。修正、修正、修正、修正・・・この回転を速くすることで、点数は速やかに上昇し、最短で最適解に近づくことができる。

 一番やってはいけないことは、100点満点を狙うがあまりに決断までに時間がかかってしまうこと、あるいは決断できないことである。時に熟考が大事なシチュエーションはあるものの、決断できずに物事を停滞させてしまうことによる損失は計り知れない。

 当院のスタッフ数は3名(滋賀県内の医療機関で最少?)である。私も医師というプレーヤーとして避けられない業務があるものの、できるだけそれらの業務を削ぎ落し、指揮官という立場で組織を俯瞰的に捉えそれらをスタッフに再分配し、徹底した仕組み化で高い労働生産性を生み出す。常に2歩先、3歩先を見据え、頭を使い続けて弱者が勝てる強い組織にするのだ。

 さあ、今年残り3ヶ月余り・・・すでに乗り越える準備は整った。