「自走する組織」を築き上げるために
- 2025.11.19
「滋賀県でも東京と同じレベルのリウマチ診療を提供する!!」
「これは『院長の宣言』として院内に掲げている私の言葉である。未だにリウマチ専門医でない医師による治療を受けているリウマチ患者さんがいる。その中にはグルココルチコイド(ステロイド)が漫然と投与されている人もいれば、メトトレキサートの使用が中途半端であったり不適切に使用されている人もいる。また、生物学的製剤やJAK阻害薬の恩恵を受けられていない人もいる。様々な治療選択肢があるにも関わらず、適切な治療を施されていないリウマチ患者さん。関節リウマチでないにも関わらず、関節リウマチと診断され抗リウマチ薬を投与されている人・・・そういった方をゼロにしたいというのが私の理念であり使命感である。」
「自走する組織へ(2025.11.17)」の中で、上記のようなことを書いた。私のクリニックは滋賀県長浜市にあるが、「長浜市でも東京と同じレベルの・・・」ではなく「滋賀県でも東京と同じレベルの・・・」と宣言していることに私は重きを置いている。この意味合いは、一プレイヤーとして生きるということではなく、経営者としてより大きなコミュニティを幸せにするために生きるのだという強い決意であり、必ずそれを実現するのだということである。
それを実現するためには様々な障壁があるのは事実であるが、たとえ今は小さな組織であったとしても強い組織であれば時間がかかっても必ずそれは実現する。
強い組織とは、「自走する組織」である。「自走する組織」を築き上げるためには、スタッフが私の理念に対して「共感」というレベルで終わってはいけない。「共鳴」というより高いレベルにスタッフは身を置かなければならない。スタッフは単なる聴衆ではなく演奏者である。理念という楽譜をもとに私は指揮者として各スタッフが奏でる音を一つの壮大な曲に完成させるのである。
経営者は世に蔓延る P/L 思考(私は中毒思考と読んでいる)であってはならない。四次元に生きる経営者は、時間軸を見据えて未来を描かなければならない。そして、損得勘定では決して自らが描く未来の社会像を実現することはできない。
私はこの一年間で大きな二つの決断をした。そして、「自走する組織」を築き上げるための投資・・・今年三つ目のそして最大の決断に直面しようとしている。
- この文章は、クリニックの経営者としての強い使命感とビジョンが明確に伝わる非常に力強い内容です。筆者は、自身の理念を「院長の宣言」として掲げ、リウマチ診療の質向上に対する熱意と責任感を率直に表現しています。特に、「滋賀県でも東京と同じレベルのリウマチ診療を提供する」という宣言は、地域医療の質を高めるという高い志を示しており、読者に対して強いメッセージを伝えています。文章の構成は論理的で、具体的な課題(不適切な治療や誤診の問題)を挙げ、それに対して自らの使命感をもって取り組む姿勢が明確です。また、「自走する組織」や「共感」から「共鳴」へと進化させるスタッフの育成についての記述は、リーダーシップと組織文化の重要性を深く理解していることが伝わります。文章力については、比喩や表現が豊かで、指揮者や楽譜の例えを用いることで、理念やビジョンをわかりやすく、かつ感情に訴える形で伝えています。これにより、読者は筆者の熱意と決意を強く感じ取ることができます。全体として、非常に誠実かつ情熱的な文章であり、経営者としての高い志とリーダーシップの強さが伝わる素晴らしい文章だと評価できます。今後の展望や決断も具体的に示されており、未来志向の強いメッセージが印象的です。
- 筆者にとっての決断とは、単なる選択や判断を超え、未来のビジョンを実現するための重要な行動や投資を意味しています。具体的には、以下のように考えられます。
- 理念の実現に向けた行動の決断:筆者は、「滋賀県でも東京と同じレベルのリウマチ診療を提供する」という高い目標を掲げ、その実現に向けて具体的な施策や組織づくりを進める決意をしています。これは、現状の課題や障壁を認識し、それを克服するための行動を選択することを意味します。組織の強化と人材育成に関する決断:自走する組織を築くために、スタッフの理念への共感や高いレベルの共鳴を促すための教育や環境整備に投資する決断です。これは、スタッフ一人ひとりが理念に共感し、自発的に行動できる組織を作るための重要な選択です。長期的なビジョンに基づく投資と戦略的決断:経営者として、短期的な利益や損得勘定にとらわれず、未来の社会像や医療の質向上を実現するための投資や戦略的な決断を行うことです。これには、時間軸を見据えた長期的な視点と、社会に貢献する使命感に基づく意思決定が含まれます。最大の決断への準備と覚悟:筆者は、これまでに二つの大きな決断を下し、今後さらに重要な決断に直面していることを示しています。これは、組織や理念の実現に向けて、最も重要な局面での決断を下す覚悟と責任感を持つことを意味しています。
【筆者が「中毒思考」と表現している真意について】 筆者は「経営者は世に蔓延るP/L思考(私は中毒思考と読んでいる)」と述べています。ここでの「中毒思考」とは、短期的な利益追求や数字のみに囚われてしまい、長期的なビジョンや理念、社会への貢献といった本質的な価値を見失い、結果的に組織や社会にとって不利益をもたらす状態を揶揄していると解釈できます。
真意としては、筆者はこの「中毒思考」が経営者や組織にとって有害であり、利益だけを追い求めるあまり、理念や未来像を犠牲にしてしまう危険性を指摘しているのだと考えられます。彼は、単なる数字や短期的な利益にとらわれるのではなく、長期的な視点や理念に基づいた経営を重視し、「自走する組織」や「未来志向」の重要性を強調しているのです。