『後医は名医』

  • 2023.10.08

 この言葉は、医師であるなら誰でも知っているものです。

 症状や検査値異常は、一時点で全て出揃うものではなく、時間経過とともに徐々に顕在化するものなので、後で診た医師は正しい診断に辿りやすく、『名医』ということです。

 ですから、我々医師は基本的に前医の批判をすることはありません。(よっぽどのあり得ないことならその限りではありませんが・・・)前医の批判ばかりしていると、医師以前に人間性が疑われてしまいます。

  関節リウマチ(RA)の領域でも、症状が出揃うのに数週間から数ヶ月、時に年単位の時間を要することがあります。「経過をみましょう」という医師の言葉は、『何もしない』ということを意味するのではなく、『遅れて出てくる症状や検査値異常がないか、慎重に診ていきましょう』ということを意味します。

 「経過をみましょう」「様子をみましょう」と言われて、『何もしてくれない』ともし感じたら、是非医師にその意味を聞いてみてください。納得する答えが返ってきたら、その医師に継続して診てもらうのが良いでしょう。納得できない答えであれば、医師を変えてみても良いかもしれません。