加減乗除
- 2025.02.14
本日は経営の話をしましょう。経営とは「加減乗除」である。微分・積分は不要であり、算数を理解し、分析力を兼ね備えていれば、問題点を明確に抽出することができる。
「売上」=「変動費」+「固定費」+「医業利益」
「限界利益」=「売上」−「変動費」=「固定費」+「医業利益」
限界利益率(限界利益の売上に対する割合)が X % であったとする。
仮に100万円/月の医業利益を出すために必要な売上/月は、(100万円+固定費)÷ X × 100 である。
つまり、限界利益率が一定であれば、目標医業利益を出すために必要な売上を算出できる。
また、売上/月 = レセプト件数 × 一人当たりの保険点数 である。
売上が下がった場合には、レセプト件数または一人当たりの保険点数(あるいはその両者)が下がっていることになる。しかし、慢性疾患を対象とするリウマチ・膠原病領域において、経時的にレセプト件数が減ることは通常ないため、その理由のほとんどは一人当たりの保険点数が下がっているということになる。保険診療である限り、検査の回数等には制約がある(例えば、MMP-3の測定は3ヶ月に1回しか認められないなど)ため、保険医である我々は厳に過度の検査を慎まなければならないと同時に、保険点数が下がりすぎないような対応を強いられる。その詳細にまではここでは触れないが、毎月のデータを正しく精査することにより、健全な経営に繋げることができる。
予備能の十分ある組織にすることで、日々進歩する新しい医療機器の導入の検討、開業医最大のリスクである自身が病で倒れた際の補償、そして日々クリニックに尽くしてくれているスタッフを幸せにするための給与アップ等が初めて可能となるのである。
まもなく開業満3年を迎えようとする当院であるが、やっと礎ができようとしている。