「なんじゃこれは!!」
- 2025.03.22
他院から当院へ転院される関節リウマチ(RA)患者さんの処方内容を見ると、時々「なんじゃこれは!!」というものがあります。
その一つに、プレドニゾロンなどのグルココルチコイド(皆さんにはステロイドと言った方が伝わりやすいと思います)を、主治医が何とか少しでも減量しようと努力した形跡が全く見えず漫然と投与されているケースが挙げられます。
メトトレキサートはアンカードラッグの位置付けですが、内服薬だけでなく皮下注製剤もありますし、タクロリムス・サラゾスルファピリジン・イグラチモド・ブシラミンなどの他の従来型合成抗リウマチ薬もあります。生物学的製剤として、3系統の作用機序、計9製剤の先行品がありますし、薬価の安い後続品(バイオシミラー)もあります。また、JAK阻害薬として5製剤あります。
リウマチ専門医は、今日これだけ治療武器を手に入れたわけですから、高度な合併症を有していない限りRA患者さんに多くの選択肢を提供できます。
にも関わらずです。上記のケースでは、リウマチ専門医である前医から、治療選択肢の提示が全くなされていないのです。治療選択肢の提示がないわけですから、治療強化がなされることなく、グルココルチコイドが減量されずズルズルと時間だけが過ぎて行き・・・たった1年2年で関節破壊が急激に進行してしまっているケースもあります。正直なところ「専門医やのに何しとんねん!!」と思うわけですよね。
以前どこかのブログに書きましたが、お薬手帳を見るとどのような意図で治療計画を組み立てているのかその医師の思考回路が分かります。単なるその場しのぎ、判断基準が不明瞭で中途半端な処方・・・そういったものも分かってしまいます。
判断基準が不明瞭で中途半端な場合の大きな理由は、「経験がない・経験が乏しい」です。自分に自信がないから、患者さんに治療選択肢を提示できないのです。専門医であってもその技能には大きな幅があります。
メトトレキサートを8mg/週をこえて使用したことがないリウマチ専門医、メトトレキサートの皮下注を扱ったことがないリウマチ専門医、生物学的製剤の使用経験が少ないリウマチ専門医、JAK阻害薬を使ったことがないリウマチ専門医、関節エコーができないリウマチ専門医・・・
かくいう私も内科医なので関節穿刺ができないものですから、「関節穿刺ができないリウマチ専門医」ではあります。したがって、偉そうに書いているものの偉そうにするつもりはないのですが、何を言いたいかというと、その患者さんにとって今必要なRAの知識や技量を医師が持ち合わせているのかどうか、自分の守備範囲を超えていると感じた際には、しかるべき医師に紹介するということが大事だと思います。そうしないと、患者さんを抱え込んだ結果、患者さんを不幸にしてしまうのです。
患者さん側からすれば、主治医のリウマチ専門医の技量なんて分からないでしょうし、自分を守る術を身に付けるのはなかなか難しいことですが、私のホームページやブログのどこかにはそのヒントが散りばめられていると思います。ブログの右上には検索ワードで「ステロイド」や「メトトレキサート」などの検索をかけていただくと、それに関連したブログがでてきますので活用ください。