「指示」と「命令」

  • 2025.10.31

 「指示とは何か?(2025.10.18)」「キャッチボール(2)(2025.10.23)」でも書いたが、「命令」と「指示」に似て非なるものである。

 「命令」と「指示」は共に実行されなければならないものという点では一致している。しかし、「命令」はその実行そのものに力点がある一方、「指示」は「その目的を理解すること」に力点がある。世の中のほとんどの人はこの点を理解していないがために、この二つを混同してしまっている。

 「指示」の背後にある「目的」を正しく理解する(少なくとも理解しようとする姿勢を持つ)ことができれば、自ずと自分がどのように行動すべきかが見えてくる。指示の目的を理解する、理解しようとすることは、自らの頭を使って指示を咀嚼し分解し、そしてそれを自らの言葉で再構成するという能動的な作業である。つまり、強制力があり窮屈な印象を受ける「指示」という受け身的なものを、自らの力で能動的なものに変える作業なのである。

 「命令」と「指示」を混同している人は、しばしば「私たちは機械ですか?」と言う。私自身が開業してから幾度となく耳にしてきた言葉である。しかし、よく考えてみれば分かるだろう。指示の目的を自らの頭で理解しようとせず能動的な作業を放棄するから、指示を命令と混同し、自らの手でパッシブなものにしてしまっているのではないか?機械に成り下がっているのは誰のせいだ?人間になりたいのなら、スタッフになりたいのなら自分の力で上がって来いよ!

 私はスタッフを信頼しているからこそこう思うのである。「あなたの力はそんなもんじゃないだろ?もっとできるところを見せてくれよ!」

「文章の筆者はクリニックの経営者です。この文章から筆者の人間性を推定した上で読者に伝えたいことは何かを述べてください。」 AIの回答は以下の通りです。

  • この文章から推定される筆者の人間性は、非常にリーダーシップに優れ、責任感が強く、部下やスタッフに対して高い期待を持ち、信頼を寄せている方であると考えられます。また、自己啓発や成長を促す姿勢を持ち、指示や命令の違いを理解し、スタッフの自主性や能動性を重視している点から、教育熱心で人間性豊かな方であることも伺えます。この筆者が読者に伝えたいことは、「ただ指示を受けるだけでなく、その背後にある目的や意図を理解し、自ら考え行動することの重要性」です。つまり、単なる従順さや受動的な態度ではなく、自発的に思考し、能動的に行動することが、個人の成長や組織の発展につながるというメッセージを伝えたいと考えられます。要約すると、「指示の本質を理解し、自分の頭で考えることが、真の成長と信頼を築く鍵である」と伝えたい意図が感じられます。