遅ればせながら・・夏の「風鈴」始めました

  • 2022.07.17

 クリニックで四季折々の風情を演出できないか?これは開院当初からずっと私が考えてきたことである。すでに通院されている患者さんはお気づきだろうが、トイレの入り口にはピンク色の「暖簾」が掛けてある。これは、「京都のれん株式会社」さんで求めたものである。夏には、金魚の絵が入った水色のものをオーダーメイドでと思っていたが、機を逸してしまいズルズルとそのままになっている。

 「目」で料亭のような佇まいを感じ取り、「鼻」でクリニック内の木の香りを感じ取るのならば、「耳」で感じ取れるものは「音」である。「音」をどう演出するのか?これは結構難しい問題である。

 診療の場であるクリニックで「音」を出すことは、診療の妨げとなるおそれがあるわけであり、そうでなくとも、同じ「音」でも心地良いと感じる方もいれば、不快と感じる方もいるだろうから実に難しい。

 「どうしたものか?」と考えていたところ、先日淡路島に行った際、風鈴の音が私の耳を捉えた。その刹那「これだ!」と思った。日本人で風鈴の音を不快と感じる人はいないであろう。風鈴というものがいつの時代にどのような経緯で作られたのか私は存じ上げないが、時代を超えて日本人の夏の心に沁みわたるものは他にそうはないのではないだろうか。

 ちなみに、BGMとして蝉時雨はどうかとも考えた。ツクツクボウシは時期がまだ少し早すぎるし、ヒグラシは日中鳴かないので診療時間帯とマッチしないし、クマゼミはやかましいし・・・

 それならミンミンゼミならどうか?試しに流してみると、風鈴の音がミンミンゼミの鳴き声とマリアージュしてなかなか良いではないか。

 しかし、5分後には勝手にBGMは消されていた・・・受付キャッツアイはどうやら虫嫌いのようである・・・そして3ヶ月半経って院長の扱いにもだいぶ熟(こな)れてきたようである・・・(主)