関節リウマチ診断の難しさ(番外編:これはやっちゃいけない!!)

  • 2024.08.12

 皆さんしばらくこのシリーズは続きます。それは私がすごく怒っているからです。その対象は決して患者さんではありません。間違ったことを堂々と書いている医師に対してです。最近の私は、炎柱:煉獄杏寿郎と、風柱:不死川実弥が共存しているようです。

 あるクリニックのホームページを見つけました。全国から関節リウマチ(RA)患者さんが集まっていると謳っており、「リウマチが治った」というタイトルの書籍を出している医師です。しかし、日本リウマチ学会のリウマチ専門医ではありません。そこには、「CRPの上昇、MMP-3の上昇の2つが同時に上昇した時にのみ、リウマチ性疾患が出現したと考えます」と書いてあります。

 今まで何度も私のブログで書いてきた通り、これはRA診療で一番やってはいけないことです。CRPやMMP-3は、肩・股・膝関節などの大関節に炎症があった場合に上昇しやすいのですが、手指・手・足趾などの小関節に炎症があっても全く上昇しないか上昇したとしても軽度です。この医師の記事を読んでいると気づきますが、この医師は確実に関節エコーをした経験がありません。関節エコーに言及した記事が皆無ですから。血液検査だけでRAの状態を判断しています。

 関節エコーの技術習得には時間がかかるため、ズバリ言ってしまえば、リウマチ専門医でも関節エコーを全くできない、あるいは使いこなせていない医師が大多数です。患者さんからすると衝撃的な事実ですよね。関節エコーの技術を身につけると、今までの常識が覆るような経験を数多くします。私もその一人です。今まで見えなかった世界が見えるのです。新しい世界を知らない医師は、それを経験したことがない故に、それを否定する傾向があります。皆さん是非、過去のブログを参照ください。

・『CRP正常』の落とし穴(2023.02.14)

・痛みは残っているのにCRP(炎症反応)は正常・・・この痛みは何?(2023.02.20)

・関節エコーが教えてくれること(2023.06.25)

 最後に、風柱:不死川実弥の言葉を借りれば・・・「醜い鬼共は俺が殲滅する」・・・