関節注射を頻回に受けている方へ

  • 2025.01.11

 年末のスケジュールが過密であったことによる疲労と、新年からの新体制づくりに時間と労力を割く必要があったため、1週間もブログが滞ってしまいました。

 1/8は強い西風で琵琶湖は海のように荒れていました。1/9は積雪が数cmどまりで除雪依頼をかける必要もなく助かりましたね。

 さて、当院では年末から新規の関節リウマチ(RA)患者さんの来院が増えています。たまたまなのかもしれませんが、通常の3~4倍のペースですね。数ヶ月前よりいくつかの医療機関を何度も受診されているのですが、RAの診断がつかずに当院を探してやって来られます。

 「後医は名医」ですが、「もう少し早い段階で診断がつけられなかったものか?」と思うケースもあります。関節注射を何度も何度もやっているようなケースですね。そもそも関節注射って、根本的な解決になっていません。関節液を抜いても、背後にある疾患をしっかり治療しなければ関節液は再度貯留します。関節に炎症があるのであれば、その炎症の原因を特定し治療しない限り、よくなるはずがありません。そのことを患者さんも十分理解する必要があります。まず、診断がしっかりついているのかどうかです。診断もついていないのに、何度も何度も関節注射を施行するというのは、医師は診断をつけるための努力を怠りそれを先延ばしにしているだけと思われても仕方ありません。例えるなら、38度以上の発熱が持続している患者さんに必要な検査もせずひたすらロキソニンを飲ましているのと同じことです。

 関節の腫れが持続する場合には、早めにリウマチ専門医に診てもらいましょう。もし、頻回に関節注射をする医師に当たってしまった場合には勇気を持って医師を変えましょう。