y = ax – b
- 2025.06.01
y: クリニックの成長度
X: 時間(開業後の年数)
クリニックの成長度をどう定義するかは様々であるが、医業利益はその大きな一つである。昨年末に伝説の「15」改革を断行した結果、スタッフ一人一人あたりの労働生産性を向上させる仕組みを試行錯誤しながら徹底的に作り上げてきた。
それにより、今年になってから5ヶ月連続で目標をクリアすることができた。1ヶ月の数値目標をその月の診療日数で割り、1日あたりの数値目標をスタッフに周知する。終業後には1日の数値を全員で確認し、翌日以降の数値目標を定める。日々この繰り返しである。つまり、P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)を徹底しているわけである。
そして、y = ax – b の 「a」 が大きくなればなるほどクリニックの成長の傾きは大きくなるわけであるから、「a」に相当するものが何かを考え、それに取り組むことが重要だ。その一つが「簿記」である。経営者は数字に強くなければいけない。数字に強くても優秀な経営者になれるとは限らないが、数字に弱くて優秀な経営者などいない。
「b」とは何か?そして、なぜ「+b」ではなく「-b」としているのか?それは、「b」が「a」に取り組むまでにかかる時間を指しているからである。何でもそうだが、「そのうちする」というのは「見えない損失を生むこと」である。思い立った瞬間、気付いた瞬間から実行するスピード感、実行力が経営者には絶対に必要である。「見えない損失」というものは、自分には見えない、気付かない。最終的には「不作為の罪」にも繋がるものである。

簿記3級試験は11月にあるようなので、それに合わせて試験勉強を行う。10月初旬には「SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL」の試験もあるので、今年の目標がまた増えた。試験は合格するためにある。自分が成長できる機会があることは喜びである。
しかし、これは以前にも述べたように P/L(profit and loss statement:損益計算書)思考にしか過ぎない。もっとマクロな思考、そもそも「この事業の目的は何か?」「何を目指そうとしているのか?」ということを、常にスタッフ全員が潜在的ではなく咄嗟に聞かれても直ちに明言できるレベルでいなければならない。そういった組織を作るのがリーダーの役割である。リーダーは好かれる必要はない。