「変化を嫌う人」

  • 2025.03.08

 本日も「新体制プレゼンテーション(2025.02.19)」の「当院に要らない人」シリーズです。最終回は「変化を嫌う人」です。

 人であれ組織であれ、それ単独で生きていくことはできない。他者、他の組織を含めた周囲の環境の中で生きていかなければならないので、常に何らかのストレスが伴う。しかし、それにうまく対応できなければ、組織の場合、衰退そして廃業につながりかねない。

 我々は「保険診療」を行う「保険医」である。自由好き勝手に診療を行ってよいものではなく、一定のルールに従って行わなければならない。例えば、関節リウマチ(RA)は関節炎をきたす疾患であるので、炎症反応のマーカーであるCRPを測定することが多いが、クリニックでは月1回しか測定できず2回以上測定すると査定の対象となる。MMP-3 も3ヶ月に1回しか測定できないこととなっている。過剰な診療については、地方厚生局による「集団的個別指導」や「個別指導」の対象となり、非常に厳しい指導により自ら命を絶つ事例もある。

 つまり、保険診療を行う医療機関は、他の業種と異なり、単価上昇をある程度抑えながら医業利益を出していかなければならないのである。また、診療報酬は2年ごとに改定される。「保険医」は「保険診療」という括りの中に存在しているわけであるから、その環境そしてその変化にうまく順応し生き抜く術を身に付けなければならない。

 野村克也さんの語録に「ヌルマ湯に入ると、いつまでも出たくない」「中途半端な安定を手に入れている選手ほど、変わることを怖がるものである」がある。挑戦しなければ挫折を味わうこともないが、成長することも成功することもない。自分は変わらなくても周りの環境は刻々と変わる。挑戦し周りの環境に順応できてこそ業績は維持できるのである。自分は変わらなくても業績が維持できるほど世の中は甘くない。挑戦する心を失うことは衰退である。

 「変わらないこと」=「現状のままでよい」と勘違いしている人は、その後自分が衰退したとしてもそのことに気付かない。そのような人は「鈍感」でもあるからである。

 野村克也さんの言葉で私の最も好きな言葉は・・・

「人生最大の敵、それは“鈍感”である。」