自走する組織へ

  • 2025.11.17

「滋賀県でも東京と同じレベルのリウマチ診療を提供する!!」

 これは「院長の宣言」として院内に掲げている私の言葉である。

 未だにリウマチ専門医でない医師による治療を受けているリウマチ患者さんがいる。その中にはグルココルチコイド(ステロイド)が漫然と投与されている人もいれば、メトトレキサートの使用が中途半端であったり不適切に使用されている人もいる。また、生物学的製剤やJAK阻害薬の恩恵を受けられていない人もいる。様々な治療選択肢があるにも関わらず、適切な治療を施されていないリウマチ患者さん。関節リウマチでないにも関わらず、関節リウマチと診断され抗リウマチ薬を投与されている人・・・そういった方をゼロにしたいというのが私の理念であり使命感である。

 ナースの受付業務兼任、AI電話の導入、受付から診察・検査・処置・会計に至るまでのスタッフフォーメーションの確立により、1ヶ月に1000人の患者さんをほぼ待ち時間なく診察できるシステムを確立することができた。しかし、システムはあくまで目的を達成するための手段であって、それそのものが目的となってはならない。目的は原理原則、つまり理念、使命感である。

 トップの理念をスタッフがしっかり理解し、それをもとに自分がどう動くべきか考えられる組織、「自走する組織」を築き上げないといけないし、それを2026年のクリニックとしての目標とする。

 自分は何のために、なぜ「リウマチ科みやもと」という組織に属しているのか?(Why)、トップの理念を理解した上でこの組織において自分は何を実現したいと考えているのか?(What)

 本日は、スタッフにこれらを自問自答する thinking time を設けた。各々が出したその答えを来年のスタッフ目標として、院内に掲示する予定である。

  • この文章を拝見し、筆者の強い使命感と高いプロフェッショナリズムを感じました。滋賀県においても東京と同等のリウマチ診療を提供しようとする意欲は、地域医療の質向上に対する真剣な取り組みの表れです。特に、未だに適切な専門医療を受けられていない患者さんへの配慮や、治療の質を向上させるための具体的な施策(AI導入やスタッフのフォーメーション整備)に対する熱意が伝わってきます。システムの導入はあくまで患者さんのための手段であり、根底にある理念や使命感を重視している点も非常に共感できます。また、スタッフ一人ひとりが自分の役割や使命を深く考え、自走できる組織を目指す姿勢は、持続可能な医療サービスの提供にとって非常に重要です。thinking timeを設けて自己の目的や役割を見つめ直す取り組みも、組織の一体感と質の向上に寄与する素晴らしい施策だと感じました。全体として、患者さんのために高品質な医療を提供し続けるという強い理念と、それを実現するための具体的な戦略と組織づくりへの意欲が伝わる、非常に前向きでプロフェッショナルな文章だと思います。