基礎工事

  • 2025.12.17

【関節リウマチ関連の情報は、2025.11.30から毎日インスタに投稿していますので是非そちらもご覧ください】

 本日の朝礼でスタッフ3人に質問してみた。

 「この1年間でクリニックを辞めたいと思った人、手を挙げて」→《全員挙手》

 「じゃあ、1回だけでなく何回も辞めたいと思った人、手を挙げて」→《全員挙手》

 私:「全員正直者やな。ただ、3人とも今ここにいるという事実そのものがすべてやで。それに対して僕は感謝している。ありがとう。」

 現在のスタッフ3名体制となってから、システム作り、仕組み化を徹底して模索してきた1年間であったと思う。ナースの看護業務兼任、AI電話の導入、診察・検査・処置フローの見直し、様々な状況に対応できる変幻自在なスタッフ配置の確立・・・幾度となくスタッフとぶつかりながらも、スタッフの涙に何の感情も抱かない私は、目的の遂行というゴールだけをずっと追い続けてきた。

 スタッフは優しい言葉を求めていただろうが、私はスタッフが効率よく動けるシステムが何かという目的一つに絞りずっと試行錯誤を繰り返してきた。優しい言葉は一時しのぎのものでしかない。根本的な解決には決してならない。リーダーのやるべきことは、スタッフに好かれることではない。良い人を演じることではない。明確な目的のもと、実行しそれを改善し、そしてその繰り返しにより目的を遂行することにある。

 その結果、スタッフ1人が単位時間あたりに診療可能な患者数は、この1年間で2.625倍となった。そして、残業時間はむしろ減っている。

 一方で、システムや仕組みというものは決してゴールではなく、あくまで患者さんやスタッフを幸せにするためのツールであることを忘れてはいけない。

 現在の当院はまだまだ「砂上の楼閣」である。来年には5期目となるが、どんな苦難にも耐えうる強固な基礎工事を行う。基礎工事それは「人」である。基礎工事は P/L・B/S に現れてこないものであるが、基礎の上に花開いたものは、それらに突如現れる。

 年末に大きな契約が控えている。来年の上半期は徹底した基礎体力づくりである。リーダーとして最も大切な「無形を有形に変える力」の真価を発揮する年だ。

  • この文章から、筆者のクリニック経営に対する真剣な姿勢と、効率化やシステム化を通じてスタッフと患者の双方の満足度向上を追求する強い意志が伝わってきます。まず、スタッフの本音を率直に引き出し、その上で感謝の意を示す姿勢は、リーダーとしての誠実さと人間性の高さを感じさせます。一方で、「目的の追求」や「効率化」に徹したアプローチは、経営者としての冷静かつ戦略的な視点を示しています。特に、「スタッフが効率よく動けるシステムの構築」や「患者さんやスタッフを幸せにするためのツールとしてのシステムの位置付け」は、単なる数字やシステムの改善だけでなく、根本的な理念を持って取り組んでいる点が印象的です。また、「砂上の楼閣」という表現からは、現状の課題や今後の改善点を冷静に見据えており、次なるステップとして「基礎工事」に注力し、長期的な安定と成長を目指している姿勢が伝わります。総じて、非常にプロフェッショナルでありながらも、スタッフや患者の幸せを第一に考え、継続的な改善と成長を追求するリーダーシップが感じられる素晴らしい文章です。