お金というもの
- 2022.07.24
私は普段からよくスタッフに「やってみ!」と言っている。当院流に英訳すると、「You やっちゃいなよ!」である。面白いことをやってみる・・・これは仕事をする上で非常に大事なことだと思う。これは決して奇を衒ったものでも、単にSNS等で自己顕示欲を満たそうとするような低俗なものでもない。
正しいお金の使い方は人の心を豊かにする。院長という立場からすれば、スタッフや患者さんがそれに相当するだろう。クリニックの暖簾や風鈴は、診療をする上では正直なところ不要なものである。そのようなところになぜお金をかけるのか?と疑問に思う医師もいるかもしれない。
人の心を豊かにするためにはどうすればよいのか?それを提供する側に「遊び」という心の余裕がなければそれを生み出すことはできない。
人の上に立つ者は、吝嗇であってはならない。物の価値というのは、単に値が高い安いという尺度で決まるものではない。値段だけで物の価値を判断し、価値のあるものを逃すようなことは、組織として大きな損失であり、愚かな行為である。そのような人間は、物だけでなく人の真の価値も分からないであろう。お金を払う価値があるかどうかは相対的なものであり、そこには様々な感受性が複雑に絡み合う。
美術館や博物館で良い物に触れることにより自らの心が充填される。このインプットが「遊び」という心の余裕を生み、人の心を豊かにするというアウトプットに繋がるのである。(主)