今の自分に求められていること
- 2022.09.06
開業前から私の外来に通院されている患者さんは状態が安定されている方が多いので、自然と受診間隔は延びていく。このため、新患の方もコンスタントに来院いただいているが、開業後5ヶ月経過した現在でも一日の患者数は決して多いとは言えない。
経営面でこの現状をどのように捉えるか?十人十色の考え方があるだろう。利益追求第一を是とするならば、受診間隔を延ばさなければ良いという判断になる。
しかし、それは果たして是なのだろうか?たしかに利益は上がるだろうが、小手先のテクニックで外来延べ人数を増やしたとして、状態の安定している患者さんにとっては、それは為にならない行為である。また、そのような形で外来枠を満たしたとしても、そのようなリーダーの姿をスタッフに見せてしまえば、組織として健全な建設的成長の妨げとなる。そして何よりも、人としての生き方に悖る。
今のゆったりとした時間を自分なりに正しく解釈するのであれば、組織としての強靭な基礎体力作りの時間なのではないかと思う。
新規の患者さんの不安や期待にどこまでイメージを膨らませながら診察することができるのか?定期通院中の患者さんであっても、どこまで全人的に診ることができるのか?毎日あるいは一人一人の診察が、きっと私に与えられた試験問題なのであって、試験を投げ出さず、答えのない答えを自分なりに模索し、そして反省しながら、毎日地道にそれを積み重ねていくという医師としての原点こそが、未来の自らの診察の質、ひいては組織としての質に繋がるのではないかと思う。
今まで数多の『真作』を見てきた。また、その何倍もの『贋作』も見てきた。本物であることを追求し続け、正しくそれを提供すれば、必ず後からついてくるものがあると信じている。
生き方は作り上げるものである。 そして、『真作』は清らかで崇高な組織を作り上げる。(主)