患者さんとの人間関係

  • 2023.03.19

 人間関係を構築するには時間が必要です。それは、医師・患者関係でも同様でしょう。

 リウマチ診療の初診時には、症状の経過の確認・全身の身体診察・40ヶ所におよぶ関節の触診・血液検査・尿検査・関節エコー・レントゲン・・・これらを行うためにしばしば30分以上の時間を要しますが、その過程におけるコミュニケーションを通して、その患者さんがどのような人なのかを常に私は探っています。

 患者さんを知るためには時間が必要です。そのため、初診枠はできるだけ時間のゆとりをもって対応するようにしています。時間のゆとりがあれば、私の心にもゆとりが生まれますので、患者さんをできるだけ理解しようとする「受け」の姿勢を取ることができます。

 しかし、時間が十分確保できない場合には、これらが困難となります。他の予約患者さんを待たせないようにと思うと焦りが生じ、「受け」の姿勢は「攻撃的」となってしまうことがあります。一日の診察が終わった後に自省し、次回の診察の時には「受け」の姿勢を持とうと決意するのです。

 関節リウマチだけでなく、全身性エリテマトーデスなどの膠原病の患者さんは、病気とずっと付き合っていかなければならないと同時に、医師とも付き合っていかないといけないわけですから。