関節の痛みはあるのに炎症はない⁉
- 2023.03.19
リウマチでは、お薬を使って「寛解」という状態を目指します。「寛解」となっても、病気そのものがなくなるわけではありませんし、病勢(病気の勢い)も常に一定というわけではありません。指の使い過ぎ・歩き過ぎや精神的ストレスなどが契機となり、痛みが強くなることはしばしばあります。
関節の痛みが強くなった際、患者さんの多くは、その痛みの原因はリウマチだと思って来院されます。一方、我々リウマチ医は、「その痛みの原因は本当にリウマチなのか?」という目で診察をします。
痛みの部位に炎症があるのかどうか?これを評価しなければいけません。度々ブログに登場する「関節エコー」は、患者さんに痛みを伴うことなく診察室で関節の状態をすぐに評価できる優れた機器です。
エコーで炎症があっても、リウマチが原因とは限りません。普段から尿酸の値が高い人であれば、痛風などを合併することもあります。
そして、エコーで炎症がない場合・・・これがある意味我々リウマチ医を困らせる状況なのですが・・・その痛みの原因がリウマチとする医学的根拠がないため、通常、リウマチの薬を増やしたり足すことはありません。
一方で、患者さんからすると、「ああ良かった。リウマチの痛みじゃないんだ」と解釈される方もいれば、「じゃあ、この痛みは何なの?先生はこの痛みを理解してくれない」という解釈となり両者に溝ができてしまうこともあります・・・
リウマチ医も日々悩みながら過ごしています。