リウマチ患者さんの幸せとは?

  • 2023.05.18

 診療というものは、それが何科であったとしても、『患者』と『医師』が存在しないと成り立たない。診察室を舞台と例えるのであれば、役者である両者が良いパフォーマンスをして初めて良い診療が生まれると言えるであろう。『患者』の良くなりたいという気持ちと正しい知識を持とうという気持ち、『医師』の良くしたいという気持ちと正しい知識の提供・・・これが上手く噛み合えば良好な医師患者関係が築けるだろう。

 これが噛み合わずどちらか一方が道から逸れてしまえば良好な医師患者関係は形成されない。医師が例え患者さんのことを正しい知識を持って良くしたいと思っていても患者さんが自らの病気に無関心であったり、患者さんが良くなりたいと思っていても医師が正しい知識を持っていない場合である。

 では、両者が共に道から逸れてしまっていればどうか?・・・・(-)×(-)=(+)

 一見医師患者関係は良好で傍から見れば幸せであるが、実態は虚無である。

 私はこのような虚しい幸せを根絶したい。父の病気が分かった時に診療所を継ぐことを肯んじず、そして自らのクリニックを開業した以上、それが自らの使命であると思っている。