副作用の伝え方と捉え方

  • 2023.05.23

 薬剤には副作用が存在します。抗リウマチ薬も例外ではありません。『メトトレキサート(MTX)』は関節リウマチ(RA)と診断されれば、まず投与を考慮する薬剤であり、RA患者さんの中で最も使用されているものです。

 MTXには色々な副作用があります。内服した当日や翌日に嘔気(吐き気)や倦怠感(だるさ)が出ることがしばしばあります。MTXの用量が増えると肝障害も出やすくなります。中には、生命に関わるような感染症・血球減少・間質性肺炎・リンパ増殖性疾患を生じることもあります。口内炎は重篤な血球減少の前兆としてしばしば認めます。(ホームページの院長の情熱(治療について)を参照ください)

 処方医は、MTXを開始する際、これらをきちんと患者さんに説明する必要があります。しかし、「生命に関わるような」副作用について説明すると、どうしても過度に不安になられる方がおられます。伝え方というのは本当に難しいのですが、かと言って副作用を説明しなければ医師としての責任を果たしたとは言えません。

 同じことを伝えても、捉え方は患者さん十人十色なので、お一人お一人臨機応変に対応をするしかないのですが・・・リウマチ診療をずっとやっていても変わらない悩みです。