骨粗鬆症治療を受けている方へ
- 2023.12.03
昨日、『湖北骨粗鬆症を考える会』がありました。私はWEBで聴講致しました。演者の岸本先生のお話は、10/1名古屋で開催された骨粗鬆症学会で聴講させていただいた内容でしたが、おさらい的な意味合いで自らの知識を再確認することができました。
骨粗鬆症診療は決して整形外科医だけが行っているわけでなく、開業されている一般内科の先生でも広く行われていますが、気になる点がいくつかあります。その中の一つが、今回のテーマである『薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)』に対して、どこまで処方医が配慮して診療にあたっているのか?という点です。
アレンドロン酸などのビスホスホネート(BP)製剤やプラリアなどの骨吸収抑制薬を投与する際には、事前に歯科や口腔外科の受診が強く推奨されます。また、それらの投与中にも、定期的に歯科・口腔外科を通院し口腔内の状態をチェックすることが重要です。
当院ではBP製剤やプラリアを新規に投与する際には必ず、近隣歯科の先生宛の診療情報提供書を作成し、それを持って受診するよう指示しています。その結果を踏まえた上で、これら薬剤を直ちに開始してもよいのか、あるいは抜歯やその他の侵襲的歯科治療を優先した後にこれら薬剤を開始するのかを判断しています。
しかし、残念ながらこのような医科歯科連携の重要性を理解している医師が少ないのが実情で、医科歯科連携なくこれら薬剤が投与されたり、漫然と10年以上BP製剤が投与されていたり(そもそもBP製剤開始時期を把握していない)、MRONJの徴候があっても処方医にその知識がないために対応が遅れたりというケースにしばしば遭遇します。
骨粗鬆症治療を受けている方は、まず現在自分自身がどんな治療を受けているのか把握しましょう。アレンドロン酸(内服:ボナロン®・フォサマック®、点滴もあります)・リセドロン酸(ベネット®・アクトネル®)・イバンドロン酸(ボンビバ®:内服・注射)・ミノドロン酸(ボノテオ®・リカルボン®)・ゾレドロン酸(リクラスト®点滴)やデノスマブ(プラリア®)を投与中の方は、『薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)』について調べてみましょう。