リウマチだより Vol.11(2024年8月)

  • 2024.08.04

 2ヶ月に1回、当院で発行しているリウマチだよりです。今回は、開業してから2年経過した2024年4月時点での当院のデータを載せております。

 関節リウマチ(RA)診療においては、グルココルチコイド(GC:ステロイド)を漫然と使用せず、使用する場合には少量・短期間に留めることが極めて重要です。私は、RA患者さんにGCを使用する際には必ずその使用期間を明示します。RA患者さんの中には、GCを「効きの良い痛み止め」と誤認されている方がおられます。きちんと使用期間を明示しなければ、その漫然とした使用につながる恐れがあるからです。そして、GCを漫然と使用しないためには、様々な抗リウマチ薬を使いこなす十分な知識と経験が必要です。

 リウマチ診療に携わっている医師の中で、このように自らの診療データを開示しているところは残念ながらほとんどありません。その理由は、そもそも開示するためのデータを取っていないということもあるでしょうが、最大の理由は、ズバリ言ってしまえば、自信を持って公にできるだけのデータがない、つまり日々の診療に胸を張れるものがないということでしょう。

 自らの目で確かめよう 「有名」≠「実力あり」(2024.07.28)で、リウマチ専門医であるからといって、正しいリウマチ診療が届けられているとは限らないと述べましたが、リウマチ専門医更新を毎回試験制にし、かつ自らのリウマチ診療データを開示することを必須条件とすれば、RA患者さんにとって自らの主治医選択が分かりやすく、またその診療の質が担保されるものになるかと思います。

 まあ、そのような制度改革がなされることはない(ほとんどのリウマチ専門医の反対にあうため)でしょうけれども、私は常に自らを曝け出し、患者さん自らの評価を仰ぐ強い覚悟を持ち続けようと思っています。もちろん、私はスーパーマンではありませんが、私の力によって患者さんが今受けられている診療よりも少しでも良いものが届けられるのであれば、それ以上の幸せはありません。

 現状に不満や不安を抱いている患者さんがおられれば、お気軽に我々のところへご連絡ください。スタッフ一同、我々に何が提供できるかを自問し、お待ちしております。