医師選び

  • 2024.12.23

 皆さんご存じでない方が多いと思いますが、医師は麻酔科を除いて自らが専門としていない診療科であったとしても、標榜(ひょうぼう)することができます。標榜診療科とは、看板に掲げたり広告に載せることができる診療科のことです。

 これが医師選びを難しくしている理由の一つでしょう。クリニックの看板に「リウマチ科」と書いてあれば、「関節リウマチ(RA)をしっかり診てくれるクリニックだろう」と多くの方が判断するでしょう。しかし、「リウマチ科」を掲げているクリニックのうち、日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格を有している医師がいる医療機関は少ないという現実があります。

 つまり、「リウマチ科」を標榜しているクリニックを受診したとしても、RAの診断が正しくなされるとは限らず、RAなのにRAではない、あるいはRAではないのにRAであると診断されてしまう恐れがあります。また、RAと診断がついたとしても、適切な治療がなされるとは限らないということです。

 日本リウマチ学会のホームページトップの中段(少々分かりづらいのですが・・・)に「リウマチ専門医・指導医・施設検索」がありますので、それをクリックして、現在自分が診てくれている医師がリウマチ専門医なのかどうか見てみましょう。

 リウマチ専門医の中でも、その診療能力に大きな差があるので、リウマチ専門医だから大丈夫というわけではないのですが、少なくともその資格を持っていない医師よりも診療能力が高いであろうと言えます。

 メトトレキサート(MTX)の内服で吐き気が出る方・・・メトトレキサート皮下注(メトジェクト®)という選択肢があります。「MTXが飲めないなら他の薬しかないねぇ」っていう説明しか受けたことがないのであれば、あなたの主治医はメトトレキサート皮下注(メトジェクト®)の知識を持っていない、あるいは使用経験のない医師でしょう。

 正しく医師を選ぶことが、この先のあなたの人生を大きく変えることになるのです。