痛みは残っているのにCRP(炎症反応)は正常・・・この痛みは何?
- 2023.02.20
関節リウマチの患者さんの中には、タイトルのような経験をされた方が、きっと少なからずおられると思います。つい先日も、同じような内容をブログに載せましたが、非常に大事なことなので繰り返しお話します。
「CRP(シー・アール・ピー)」は炎症の程度を表す指標で、肺に炎症(肺炎)や腸に炎症(腸炎)など、体のどこかの臓器に炎症があれば一般的にCRPの値は高くなります。
この話の流れでいくと、関節リウマチは関節に炎症(関節炎)をきたす病気なので、やはりCRPは高くなると思いますよね?・・・実は、これが患者さんだけでなく医師も最も陥りやすい誤解なのです。
関節って体の中にいくつもあるんですよね。その大きさは関節によってまちまちです。肩や股関節、膝関節は大きな関節ですが、手の指や足の指、手首は小さな関節です。
ここで、「関節」を「木」、「炎症」を「火」に例えましょう。「大きな木」に「火」がつけば、その「火」も大きくなります。一方、「小さな木」に「火」がついても、その火は大きくはなりません。
関節も同様です。大きな関節に炎症があればCRPは高くなりやすいのですが、手の指や足の指、手首などの小さな関節に炎症があってもCRPは正常のことがほとんどなのです。
CRPの値が正常なのに、痛みが残っている方がおられれば、その痛みは適切な治療により、良くなる可能性があります。そうすれば、きっと今の我慢から解放される日がくることでしょう。