リーダーとしての素養
- 2023.08.02
医師になる者の多くは中学受験を経験する。東京などでは小学受験を経験している者も多いだろう。かくいう私も、中学受験を経験し中高一貫校に通った後、大学受験をして医学部に入ったわけである。
受験というのはいかに他人よりも高得点を取るかという個人競技であり、点数だけの一つの物差で「優劣」が決まってしまうものである。何が言いたいかというと、このような人間がクリニックを経営しリーダーとなった時に、果たしてリーダーとして適した素養を持ち合わしているのかということである。
私は中学時代に、孔子の論語や孫子の兵法を読むことがしばしばあった。何となく久しぶりに読んでみると・・・
『君子は義以て質と爲し、禮以て之を行ひ、孫以て之を出だし、信以て之を成す。君子なるかな。』
その意味は、『立派な人間は、生きていく本質を義に置く。そして礼儀正しくふるまい、謙虚な気持ちで発言し、真心を込めて人と交じわることによって義を実践する。そういう人こそが君子である。』
組織のリーダーとして経営が大事であることは当然のことであるが、それ以上に大切なものは何かということを思い起こしてくれる言葉であった。