関節リウマチと胸のレントゲン
- 2024.09.11
読者の関節リウマチ(RA)患者の皆さん、胸のレントゲン(胸部Xp)は定期的に撮影されていますか?1年に1回は胸部Xpを撮影することが重要です。それは、RAは関節炎だけを呈する疾患ではないからです。RAでは全身の色々な臓器に障害をきたすことがありますが、その代表臓器が「肺」です。
RAでは間質性肺疾患や気管支拡張症などの肺や気道病変をしばしば認めます。また、非結核性抗酸菌症(雑な言い方をしますと、結核菌の親戚のようなものです)の合併も非RA患者さんと比較すると多いことが知られています。
咳や痰などの呼吸器症状がほとんどないあるいは全くないということもありますので、胸部Xpを撮影してみて初めてそれに気付くことがあります。これらの病変の程度によっては、治療薬剤の選択が限定されてしまうこともありますので、しっかりと病変について把握することが重要です。
また、偶発的に肺癌が見つかることもあります。年1回の胸部Xp撮影でたまたま肺に腫瘤影が見つかり、精査の結果肺癌の診断に至って手術となったケースを何例も経験してきました。
整形外科に通院中のRA患者さんでは、あまり胸部Xpを撮影されていない印象を受けます。しかし、上記の理由により、しっかりと定期的に胸部Xpを撮影することが非常に重要なのです。もし、あなたが通院中のクリニックもしくは病院で定期的に胸部Xpを撮影されていないのであれば、健診や人間ドックでしっかり胸部Xp撮影を受けるようにしましょう。
あなた自身が、自らの手で自らを守るという意識を持ちましょう。