関節リウマチと腎臓

  • 2024.09.13

 前回は、関節リウマチ(RA)と肺について書きました。今回も臓器との関連でお話したいと思います。

 腎臓(じんぞう)は「尿」をつくる臓器です。体にとって不要な水分や老廃物を腎臓で「尿」という形にし、尿管から膀胱、そして尿道を介して体外に排出するわけですね。薬物の代謝産物も、その多くは尿中に排泄されます。

 RAのアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)も、主に腎排泄型の薬剤です。腎臓の働きが低下していると、MTXの体外への排泄が低下する結果、MTXの血中濃度が上昇し、副作用が出やすくなります。

 RA患者さんで腎機能が低下している場合には、MTXが使用しづらいあるいは使用できないため、RAの治療に難渋するケースがあります。

 MTX以外の従来型合成抗リウマチ薬(サラゾスルファピリジン・ブシラミン・イグラチモド・タクロリムスなど)はMTXよりも効果が落ちます。また、生物学的製剤(BIO)の中でTNF阻害薬は、MTX非併用ではそのポテンシャルを十分発揮できません。また、他のBIOやJAK阻害薬であってもMTXとの併用が望ましいのです。

 皆さん、私のブログで最も閲覧数の高い記事は何かご存じですか?

 「ロキソニンを毎日飲み続けている人へ」(2023.05.14)がダントツの一番なのです。

 RA患者さんは是非、腎臓を大切にしてください。腎機能が低下しても基本的に症状が出現することはありません。これからは検査結果の中で、「eGFR(イー・ジーエフアール)」に注目してください。初めて耳にした方は、ご自身で調べて勉強してみましょう。