「大人のリンゴ病」
- 2024.12.13
インフルエンザだけでなく、リンゴ病が今大流行しています。リンゴ病は正確には「伝染性紅斑」と呼ばれ、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因となります。
リンゴ病は子供の病気と思われがちですが、大人も罹ります。子供の場合には、リンゴのように頬が赤くなるのでリンゴ病と呼ばれるわけですが、大人の場合にみられる症状は異なり、急性の経過であちこちの関節の痛みが出現し、しばしば手指や手が腫れます。その腫れ方は、関節リウマチのそれとは異なり、手指や手が全体的にという印象です。四肢に淡い紅斑(レース様に淡いピンク色~赤い発疹)や発熱を伴うこともあります。
血液検査では、白血球や血小板が減少し、リウマトイド因子や抗核抗体が高くなることもあるので、全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチなどと誤診されることもあります。
もし、皆さんの周りにリンゴ病のお子さんがいて、急にあちこちの関節が痛くなった場合には、「大人のリンゴ病」の可能性があります。血液検査で、ヒトパルボウイルスB19 IgM を測定することで診断ができますが、リンゴ病の患児と接触歴があり、急性多関節痛をきたした場合には、それを測定するまでもなく臨床的に診断することもあります。
「大人のリンゴ病」はそれを疑わない限り診断することはできません。急にあちこちの関節の痛みが出てきた場合には、早めにリウマチ専門医を受診するようにしましょう。