ダレスバッグ・・・共に歩んで10年

  • 2022.07.07

このダレスバッグは、2012年7月7日に京都で購入した土屋鞄製造所のダレスバッグである。つまり、今日はこの鞄との10周年記念日なのである。

男、女に限らず、時計や車など、自らの所有物を自慢する者がいるが、私から言わせればそのような人間は実につまらない者であり、全く付き合う価値のない者である。そのような者は、得てして自分という人間で勝負できない、所有物でしか自らを誇示できない空虚な者たちだからである。

この鞄を持っていると、自然と背筋がピンと伸びる。歩き方を意識するようになる。周りにどのように見られているのか意識するようになる。良い物というのは、それを身に着けるに相応しい人間に自らを成長させてくれるものであり、決して衒らかすものではない。

私は常に10年先、20年先の自分の立ち位置をイメージしながら今という時間を生きている。つまり、10年先、20年先のあるべき自分から逆算して、今自分が何をすべきかということを考えながら生きている。私にとって長生きするということよりも、どう生きたか、何を成し遂げたのかということの方が遥かに重要なことなのである。

このダレスバッグを購入した時に自分の10年先をどうイメージしたか思い起こしてみた。まさか10年後に自分が開業しているとは思いもよらなかったが、その時にイメージした立ち位置よりも高みにいる自分を感じる。木鶏という頂は遥か先ではあるが、謙虚・反省を忘れずに日々精進するのみである。

廉価なものをコロコロと買い替えるより、「良い物」「良い人」と長く付き合っていきたい。

今のスタッフと共に歩んだ10年先にはきっと、今日描いた10年先のイメージを超える自分と巡り合えるであろう。(主)

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