指示出しの難しさ
- 2022.10.18
私はスタッフに、「ああしなさい」「こうしなさい」と指示出しすることは嫌いだと以前にブログのどこかで書いた。それは、ホームページ上の「スタッフへの想い」でも書いたように、知らず知らずのうちにスタッフが指示待ち人間になってしまうことを恐れるからである。
私のスタッフへの指示出しの多くは、「投げかけ」である。つまり、自分自身の頭で考え、想像することを常に要求する。能動的でなければ強い組織にはなれない。今の自分に満足することなく、10年20年後も価値あるものであり続けるためには、建設的なストレスや自己批判が必要である。
しかし、ある意図をもって投げかける内容は、具体的なものでなく抽象的なものであるから、思考の自由性を有するが故に、時にあらぬ方向へ向かい、こちらの意図とは全く異なる解釈がなされてしまうことがある。
話は逸れるが、「確信犯」の本来の意味は、「思想的・宗教的信念に基づき正しいと信じて罪を犯すこと」である。私の診療はもちろん罪ではないが、この前半部分はそのまま当てはまるものである。あまりに熱量が大きすぎて、周りの人間にはなかなか理解できないであろう。
将来的に多くの仕事が機械によって奪われる時代が来たとしても、強烈なアイデンティティを持った真の価値を持った組織でなければ生き残ることはできない。私は常にこのような危機感を持って生きているが、こんな医師は滅多にいないのでしょうね。こんなリーダーは、しばしばスタッフを巻き込むのである・・・
難しいものの先に真の価値があると信じているのだが・・・時に自分が普通の人間であれたらと思う日もある。(主)