本日浮かんだ言葉(松下幸之助)
- 2022.10.21
「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」(2022.08.30:松下幸之助と稲盛和夫)
これは商いをしている人間に限らず、医師にも当てはまるものである。むしろ、医師だからこそ、この言葉はより心に刺さるものである。
利益を追求するがあまりに、医学的に効果が不明であることを分かっていながらそれを患者さんに勧める者がいる。何も知らない患者さんからすれば、「体にいいから、絶対やった方がいいよ」と言われれば、信じてしまうのも無理はないであろう。もはやこのような者は医師ではない。
患者さんの中には、「この薬が欲しい」と要求してくる人がいる。それに対して、何も考えず処方する医師もいる。医療機関は、スーパーでもドラッグストアでもない。診療の場である。その要求が、患者さんにとって為になるかどうか医師が判断しなければならない。処方できるのは、医師免許証を持った者だけである。医師免許証の重みをどれだけ医師は感じながら診療しているのだろうか?
患者さんと薄っぺらい関係でしか繋がっていない医師には、先人の言葉は響かないであろう。
一日一日の診療の終わりに、「今日も患者さんの為を思った言動ができたのか?」と心の中で振り返る。正しく振り返ることの積み重ねである。(主)