『CRP正常』の落とし穴
- 2023.02.14
リウマチ診療において、血液検査は欠かせないものです。血液検査ではたくさんの項目を測定しますが、我々リウマチ専門医は、血球が下がっていないか、肝臓の値が上がっていないかなど、お薬の副作用が出ていないかどうかや、腎臓の値が悪いと使えないお薬もあるため、腎臓の値に変化がないのかなど、いろいろなことをチェックしています。
一方、多くの患者さんが気にされるのは、炎症のマーカーである『CRP』でしょう。関節リウマチでは、関節に炎症をきたすため、『CRP』の値が高ければ『状態が悪い』、逆に正常であれば『状態が良い』と思われがちです。しかし、下の写真を見てください。
これは、足の指の付け根(MTP関節)の関節エコー写真です。「メラメラと燃えるような」関節の炎症がありますが、この日の採血では、CRP 0.03 (mg/dl) と全く正常です。
こんな状態を『CRP正常だから大丈夫』って判断しちゃうと、確実に関節は壊れて、将来的に足の指の変形をきたします。
ですので、皆さん絶対にCRPの値だけでリウマチの状態を判断しないでくださいね。