この時代に関節リウマチを発症された方へ
- 2023.04.28
関節リウマチ(RA)治療は、この10年20年で劇的に進歩しました。現在RA診療のアンカードラッグの位置付けであるメトトレキサート(MTX)が本邦で承認されたのは1999年でしたが、当初は第一選択薬として使用することはできず、最大投与量も8mg/週まででした。
MTXは2011年に16mg/週まで増量することが可能となり、2022年には皮下注製剤であるメトジェクトも承認されました。
MTXが効果不十分な場合には、生物学的製剤(BIO)やJAK阻害薬を検討することとなりますが、BIOは現在先行品だけで9剤を数え、JAK阻害薬は5剤使用可能です。
このような時代に、関節リウマチと診断された方は選択肢が数多くあるわけですから、早期に診断を受け、早期に治療を介入、そして正しい治療を受ければ高い確率で寛解を達成できます。逆の言い方をすれば、診断までに時間がかかり治療介入が遅れた場合や、正しい治療を受けていなければ、その確率が下がってしまうということになります。
今の時代、SNS等で多くの情報を得ることができます。一方、以前にもブログで書きましたが、その情報を取捨選択する力が我々には求められます。きちんと診てくれる先生はどんな人なのか?それは、自らの言葉で診療に対する情熱を語れる人ではないでしょうか?かくいう私も、現在ベートーヴェンの「熱情」を聴きながらこのブログを書いています。それは、読んでくれる人々にパッションをもってこのメッセージを届けたいと思うからです。
リウマチ専門医という肩書は、リウマチ診療をしてよいという免許に過ぎません。専門医の中のレベルは上弦と下弦のレベル以上の差があります。皆さんには、自分で医師を選択する権利があるわけですから自分の目で自分の主治医を選択してください。そうすることができれば、周りから見てもRAと分からない、場合によっては自分自身がRAと忘れてしまうような人生を得られるかもしれません。