関節リウマチと診断されたら・・・
- 2023.05.21
関節リウマチ(RA)と診断されれば、NSAIDs(いわゆる痛み止め)やグルココルチコイド(ステロイド)だけで経過をみるということは絶対にありえません。その理由は、これらだけでは関節破壊の進行を抑えることができないからです。必ず抗リウマチ薬の投与が必要となります。
最初に考慮すべき薬剤がメトトレキサート(MTX)なのですが、もしRAと診断されてMTXを処方されなかったとすれば、以下の理由が考えられます。
① 妊娠中・授乳中、透析中・高度の腎障害、高度の間質性肺疾患など、MTX投与が禁忌(=投与不可)に該当する場合
② MTX投与は禁忌ではないが、高齢であることや腎障害、間質性肺疾患、認知症などから、MTX投与を避けた方が良いと医師が判断した場合
MTXが投与できないあるいは投与を忌避した場合、タクロリムス(プログラフ)・イグラチモド(ケアラム)・サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)・ブシラミン(リマチル)などの従来型合成抗リウマチ薬を投与しますが、いずれもMTXより効果は劣るため、②の場合でもRAの疾患活動性が中等度もしくは高度であれば、MTXを慎重に投与することを検討します。非常に悩ましい場合もあります・・
ここで私が言いたいことは、抗リウマチ薬が始まった際、自分に対してどうしてその薬が選択されたのかをしっかり理解してほしいということです。理解どころか、処方されている薬の名前も言えない患者さんはたくさんいます。主治医と対等に建設的な関係を築くためには、自分の病気としっかり向き合ってほしいのです。先日のブログで玉石混淆と書きましたが、石ころのような情報に左右されず正しい知識を身につけることが、病気を良い方向に導く大きな力になってくれるはずです。