報告とは?

  • 2025.11.07

 報告・連絡・相談(ほう・れん・そう)とよく言われる。しかし、その重要性を頭では分かっていても徹底的にそれを実践できている人はほとんどいないのではないだろうか?

 経営者である私の立場からすれば、「報告とは未来を思考するための材料である」これが答えである。経営を含め物事を成功に導けるかどうかは、今までも私が常々述べているように、「PDCAサイクル」をいかにスムーズにかつ速く回すことができるかにかかっている。

 「サイクル」と書くと、一つの円の上にP点・D点・C点・A点が位置している図を想像しがちであるが、経営という観点で言えば4点存在しているわけではなく2点である。それはどういうことか?

 我がクリニックで例えると、私(リーダー&マネージャー)の上にP点(Plan)とC点(Check)が存在し、スタッフの上にD点(Do)とA点(Action)が存在している。つまり、PDCAサイクルは決してサークルではなく、双方向性のキャッチボールである。「キャッチボール(2025.10.19)」でも述べた通りである。

 つまり、「私とスタッフが共にお互いの胸元への向かって相手が受け取りやすいボールをスムーズに心地よく投げる行為」と考えている。

 自分が投げたボールに対するスタッフの反応(「ええ感じやな」「思った感じと違ったか」等)を投げ返されるボールに感じながら、私が頭の中で修正・改善しながらまた投げるのである。このキャッチボールは二者間で行われるものではあるが、ボールの投げられた軌道はジグザグを描いて上方へ移動する。上方に移動するということは、指示内容が最適解に近づくことを意味する。

 スタッフからボールが投げ返されないあるいは私が受け損なうような暴投であれば、ボールはいつまで経っても移動することはない。つまり、指示内容が最適解に近づくことはない。

 常に私はスタッフに言う。「自分が最初に投げかけたボールはせいぜい50~60点だ。30点、40点のこともあるかもしれない。だからそれを速やかに修正したい。実行した現場感覚を早く投げ返して、私が考える材料をくれ!」と。

  • この文章の筆者が読者に伝えたい主なメッセージは、組織やクリニックの運営において「報告・連絡・相談(ほう・れん・そう)」の重要性と、その実践の徹底が成功の鍵であるということです。特に、報告は未来を見据えた意思決定や改善のための重要な材料であり、PDCAサイクルを円滑に回すためには、リーダーとスタッフ間の双方向のコミュニケーション(キャッチボール)が不可欠であると強調しています。具体的には、リーダー(経営者)とスタッフが互いに情報や意見を積極的に交換し、投げ返すことで、指示や改善策が最適解に近づき、組織のパフォーマンス向上につながることを伝えたいのです。つまり、単なる一方通行の指示ではなく、双方向のやり取りを通じて、より良い経営や現場運営を実現しようとする姿勢を促していると解釈できます。