熱中症とメトトレキサート
- 2023.07.25
近畿も梅雨明けしてから暑い日が続きます。西日がクリニックに差し込むため、午後の診察室の温度が上がります。この先しばらくは冷房が欠かせない日々ですね。
さて、タイトルの「熱中症とメトトレキサート(MTX)」ですが、皆さん関連は分かりますでしょうか?MTX内服中の患者さんは、この夏場が最もその副作用に注意が必要なのですよ。
MTXは尿をつくる臓器である腎臓から排泄されますが、夏場は汗をかきますので脱水になりやすく、腎臓の機能は低下します。その結果、MTXの腎臓からの排泄が低下し、MTXの血中濃度が上昇するため副作用が出やすくなります。その中でも、血球減少(貧血・白血球減少・血小板減少)は時に生命に関わる重篤な副作用であり、特に注意が必要です。
もともと、腎臓の機能が低下している人(eGFR60未満)はハイリスクのため、こまめに水分を摂取し脱水にならないように注意が必要です。もし、倦怠感(だるさ)が強い・MTX内服後の嘔気が強い・口内炎が複数できるといった症状があれば、MTXの内服は中止し早めに主治医に連絡するようにしてくださいね。