メトトレキサート使用における注意喚起:9/22講演会(医療従事者向け)
- 2023.09.18
9/22に講演致します。メトトレキサート(MTX)使用における注意喚起の講演を定期的に行っています。患者さんだけでなく、MTXを処方する医師の中にも、『ずっと使ってきて副作用がなかったから、これからも大きな副作用の心配はない』と誤った認識を持っている方が少なからずおられますが、少なくともMTXに関して全くこれは当てはまりません。重篤な血球減少やリンパ増殖性疾患、肝の線維化など多くの副作用に留意しながら使用しなければなりません。
講演の中ではMTXによる重篤な血球減少を中心にお話をします。今までのブログでも何度か触れてきましたが、MTXは腎臓から排泄される薬剤ですので、夏場のように汗をかき脱水をきたす状況では、尿量が減りそれに伴いMTXの尿中排泄が低下するため、MTXの血中濃度が上昇し突如生命に関わるような血球減少をきたすということが生じえます。
私はMTXを処方している方全員に、毎回診察の最後に「コロナやインフルエンザに罹った時や、その他でも発熱・咳・ひどい口内炎や吐き気があった時には、MTXを中止して早めに当院へ電話連絡してください」と伝えています。ひどい口内炎は生命に関わるような血球減少の前兆として生じることも多いので非常に重要なサインです。
私の周りで生じた症例だけでなく、私自身が経験した症例をたくさん盛り込んでお話することが、リアリティがあり聴講者の先生方により響くのではないかと思っています。