須須許里(すすこり)
- 2024.11.10
今回のタイトルですが、まず誰にも意味が分からないに違いありません。この日本酒のラベルがタイトルです。このお酒は、昨日の研究会に参加してくれた岐阜市民病院の藤岡圭先生から個人的に手土産としていただいたものです。
H9 BY(酒造年度であるBrewery Yearの略です。7/1~翌年6/30までの期間を指します)ですので、25年以上の熟成期間。隧道(トンネル)で貯蔵されていたものです。
さて、「須須許里(すすこり)」ですが、「古事記」に出てきます。「応神天皇の御世に来朝した百済人の須須許里が加無太知(麹)を用いて、大御酒を醸造し献上した」という記述があります。
日本酒検定試験で習う内容ですが、SAKE DIPLOMA試験には出てきません。歴史の内容は、日本酒検定の方が深いのです。
熟成させると、日本酒の外観はメイラード反応(褐変反応)によりトパーズ、最終的にはブラウンへ変化します。
香りは、グレープルフルーツ・月桂樹の葉・香木・ゴボウ・マッシュルーム・炊いた米・カラメル・醤油・スモーク香といったところでしょうか。SAKE DIPLOMA 試験での香りの項目に、「腐葉土」があります。試験ではまず選択しないものですが、今まで飲んできた熟成酒と比べて土の香りが強く感じられるので選んでもいいでしょう。
熟成酒は間違いなく中国料理と合います。日本酒ビギナーの方には、外観や香りからなかなか手に取りにくいものだと思いますが、日本酒を飲み慣れている方は是非一度トライしてみてください。新たな世界が待っていると思います。