百万石乃白
- 2025.02.27
今日は酒造好適米(酒米)の話です。日本酒の主原料は「米」です。しかし、私たちが普段食べているお米は「飯米」でして、酒造りに使用される酒米とは異なります。もちろん、飯米が酒造りに使用されることもあり、宮城県では「ササニシキ」で醸した日本酒も多く存在します。
さて、石川県での酒米生産ですが、1位は「五百万石」、2位は「石川門」、3位は「百万石乃白」(ひゃくまんごくのしろ)となっています。全国的には、「五百万石」は酒米の王様である「山田錦」に次いで2番目に生産量の多い酒米でして、新潟や北陸ではメインとなる酒米です。「淡麗辛口」はこの「五百万石」があってこそ成り立つものです。ただ、「雄町」好きの私としては、「五百万石」のお酒は淡麗すぎて物足りなさを感じてしまいます。
「百万石乃白」は石川県産のオリジナル酒米として開発されたもので、2020年に命名・製品化された新しい酒米です。「百万石乃白」は母が「山田錦」で、父方の祖父は「越淡麗」(母:山田錦、父:五百万石)となっています。味わいは雑味が少なく、すっきり綺麗でして、余韻は短めですが、「五百万石」のような物足りなさはなく、かすかに糸を引くような余韻にエレガントさを感じます。スラっとした美人という印象ですかね。

外観はクリスタル・シルバー・グリーン。香りはグレープフルーツ・洋ナシ・バナナ・メロン・スイカズラ・セルフィーユ・白玉団子・石灰といったところでしょうか。

酒造さんによっては、精米歩合や製造方法は全く同じで、酒米違いのお酒を造っておられるところがあります。酒米の違いでその香りや味わいは全く異なるお酒になります。そういった利き酒の楽しみ方もありますので、皆さんも一度トライしてみてください。何なら、声をかけていただければ、私が案内しますよ~