未来を明瞭に描写する

  • 2025.03.02

 私は常に2ヶ月毎の目標を設定し生きています。その目標には色々ありますが、クリニックを経営している以上「医業利益」はその一つになります。

 保険診療による入金は約2ヶ月遅れですので、税理士さんからの決算報告も2ヶ月遅れとなります。しかし、それをもとにした方針決定というのは「後追い」であるため、その報告の2ヶ月間に大きな経営上の変化があった場合、経営者自らが鈍感でその変化を感じ取ることができていなければ、組織にとって大きな損失が生じる恐れがあります。したがって、自らが独自にリアルタイムにデータを収集しそして分析し、「後追い」ではなく「未来」のための「行動変容」に繋げる必要があります。税理士さんからの報告は、自らのデータ収集・分析に基づく行動変容の「答え合わせ」的なものにしなければなりません。

 2/28の診療後、スタッフに1月・2月のデータ報告を指示し、私はその日のうちにデータを分析、目標を達成したのかどうか?達成できた要因は何か?未だ改善すべき点は何か?そしてこの先2ヶ月具体的にどう行動を変えるべきか?3月・4月の目標は?など、これらをパワーポイントでスライド作成し、翌日3/1の朝礼の際に報告を行いました。

 「給与とは組織の利益の一部である(新体制プレゼンテーション:2025.02.19)」と書きました。私は「給与はもらって当たり前」というスタッフの考え方を払拭し、経営状況をスタッフと共有することが、そうでない場合と比べより強固な組織づくりができると考えています。これには賛否両論があるでしょう。しかし、「何となく今までと同じ仕事をしていれば給与は安泰」という考え方のスタッフばかりの組織に成長はあるでしょうか?未来はあるでしょうか?組織が成長しなければ給与も安泰となるわけがないのですから・・・

 さて、ここまでは医業利益について書きました。医業利益はあくまで経営というもの一部にしか過ぎません。ここからはもっとマクロの視点、「人」としてのお話をしましょう。

 2025年になって2ヶ月が経過しました。私は本日の冒頭で、常に2ヶ月毎の目標を設定し生きていると書きました。実は、この数ヶ月の自らのブログを読み返す作業が極めて重要でして、それは「自らが描いた数ヶ月後の景色が実際どうなったのか?」つまり自らの立ち位置の確認作業そして未来の自分の立ち位置の設定作業なのです。

終業後のクリニック(2024.11.29)・・・・・「自分は絶対に負けん」「今まで自分は数々の困難を乗り越えてきた」「自分にできないことはない」「5年後10年後にはクリニックはこんな風になっているはずや」「今の状況なんて苦労でもなんでもない」「こんなストレス、総理大臣のそれと比べたら100万分の1や」「負けは止めた時だけ」「立派だよ~」

《国宝》渡岸寺十一面観音像」(2024.12.15)・・・・・「意のままにやりなさい」

自己洗脳(2024.12.19)・・・・・「今までの苦しみの全ては、今目の前にある困難を乗り越えるためにある」「その記憶を呼び覚ませ!そして、立ち向かうための心の燃料とせよ!」「失敗は挑戦を止めた時だけ」「チャレンジできるのはほんの一握りの人間のみ。自分は選ばれた人間だ。逃げるな!」「困難は乗り越えられる者にしか訪れない」「こんな経験をしている人間はおそらく1000人に1人もいない。今の経験は貴重だ、宝だ、喜べ!」

「なんくるないさぁ」(2025.01.16)・・・・・『挫けずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る』

第一章・・・その最終日に(2025.02.15)・・・・・「人間の価値は、絶望的な敗北に直面して、いかにふるまうかにかかっている」「誰もあなたのことを信じていない時に自分を信じることだ。そうすればあなたは勝つことができる」「チャンスは、あなたに素晴らしい成功を授ける少し前に、逆境であなたの勇気を試すのです」「今から一年も経てば、私の現在の悩みなど、おそらくくだらないものに見えることだろう」

 一年どころかたった2ヶ月で、私のあの時の苦悩はすでにくだらないものになりました。数ヶ月前に描いていた未来像の遥か上に到達したのです。それは私自らの努力はさることながら、私を信じて頑張って支えてくれた人たちによるものです。その人たちへの感謝の気持ちを忘れなければ、私そしてこのクリニックはこれからも成長することができるでしょう。