日輪刀

  • 2025.03.13

 経営者は「決断」の連続である。しかし、「決断」の真の意味は、非経営者はもとより経営者も未熟であれば理解できないものである。

 今までもこのブログで述べてきたが、「決断」とは「断つことを決めること」である。他人にどれだけ冷徹非情と思われようが、いざという時に迷いなくバッサリと切れるかどうか、これが経営者に求められる大きな能力の一つであると思う。

 決めきれないあるいは情に流されるというのは、組織に負の因子を残してしまう、つまり手術でいえば病巣を取り切れない行為に等しく、やがてそれは再び大きくなり、そして組織を蝕み、インオペという結果によって自らの首を絞めることとなるのである。実は世の中のほとんどの組織はそうなのではないかと推測する。

 私は昨年末に開業後最も大きな「決断」を行った。人件費40%カット、しかし受付スタッフは1.3倍の人員増加、ナースは1.5倍の人員増加となり、結果的に医業利益は4倍の増加となった。また、職場環境は劇的に改善した。

「誰もあなたのことを信じていない時に自分を信じることだ。そうすればあなたは勝つことができる」

「チャンスは、あなたに素晴らしい成功を授ける少し前に、逆境であなたの勇気を試すのです」

 私以外の人間すべてが「絶対にありえない判断」と口にしたその結果がこれである。このからくりを理解できる人はいるだろうか?その答えの一つは「のべ」人数というところにある。まあ、他にもからくりはあるが公にはしない。

 これが経営者特権の「快感」なのだと思う。日輪刀で断ち切ることにより、組織を大きく改善できた時の「快感」は病みつきになる。これこそが経営なのだと思う。

 私は他人と同じ景色を見たいとは全く思わない。そんなの面白くないから。自分にしか見られない秘境の絶景を求めてこれからも生きていきたい。