水筒の結末

  • 2022.12.06

 昨日から水筒を持参している。時代が変われば、物の進化も目覚ましい。水筒も例外ではない。  しかし、『過ぎたるは猶及ばざるが如し』である。保温能力が高すぎるのも、いかがなものか?  私は、診療開始前の心を整えるため、水筒のお茶を口に含んだ。その刹那、私の舌の上の味蕾は奇襲攻撃を受けたのである。日本酒の「熱燗」を超える「飛び切り燗」は約55℃であるが、そのお茶の推定温度は90℃・・・  羽柴秀吉と石田三成の有名な逸話に「三献茶」があるが、もしその時に三成がこんなことをやっちまっ...

明日から水筒持参します!

  • 2022.12.04

 スタッフは出勤した後、湯を沸かしお茶を淹れてくれる。一杯目は、ゴボウ茶であることが多い。診療開始前にお茶を飲むことで、自らの心を整えることができる。  しかし、しかしである・・・我がスタッフは、淹れたお茶を休憩室から診察室まで運ぶことをしばしば忘れる。なぜ忘れるのか?私には全く理解できない。我が家ではそのようなことは全くないからである。  さすがに5分前のことを忘れるはずがないと思って、待てど待てどお茶は出てこない。スタッフ同士話し込んでいる様子をみると、お茶のことは忘れ去ってし...

㊗ 『リウマチだより』発行 ㊗

  • 2022.12.01

 11/26に調剤薬局さん向けの院内勉強会を開催しましたが、これから他の薬局さんへも徐々に声かけを行い、定期的に勉強会を開催しようと思っています。  単に薬を渡す・受け取るだけの関係ではなく、患者さんが疾患のことや薬剤のことを気軽に薬剤師さんに相談できる関係が構築されればと願っていますが、そのためには薬剤師さんが関節リウマチという疾患および薬剤に関して、正しい知識を持っているということが必要条件になります。この勉強会は、そのためのお手伝いであり、私の医師としての使命であろうと思うのです。...

12/7講演会(医療従事者向け)

  • 2022.11.28

 今回は兵庫県豊岡市を中心とした会です。  先日の長野県松本市と同様、高齢者が多いエリアにおけるリウマチ診療は、共通の問題点を抱えています。  鬼澤秀夫先生は、「膠原病を考える会」という京都南部の研究会(コロナ感染流行後は休会中ですが・・・)でも大変お世話になっている先生です。  どのようなディスカッションになるのか楽しみにしております。(主) 4bbeb0148122237703da567b19fc6198ダウンロード ...

薬剤師さん対象の院内講演をしました。

  • 2022.11.26

 我々のクリニックの使命の一つが、地域への啓発活動です。その第一弾として、本日、調剤薬局の皆さんを対象に、院内講演会を行いました。ホームページに『スクリーンへの想い』を載せていますが、院内のスクリーンを使った講演は今回が初となります。  コロナが流行してからWEB講演会が主流になっていますが、人と人の関係は希薄で表面的なものでしかなくなっているように思います。  今回、異なる薬局さんから計3名参加いただきました。人数は少なくとも、こじんまりとした顔の見える会だからこそ、真の意味を持...

金紋錦の歴史に准える

  • 2022.11.23

 松本では日本酒を買って帰ることができなかった。講演会等で遠征をして、日本酒を買って帰ることがなかったのは初めてではなかろうか?  帰宅後、酒造数全国第2位を誇る長野県の日本酒を知ろうとしなかったことを恥じた自分は、知らず知らずのうちに酒造さんのホームページ閲覧に走っていた。  検索条件は、私の大好きな「生酛造り」のお酒であること(生酛は日本酒全体の約1割に過ぎない)と地元の酒米で醸したお酒であることである。  生酛造りについては、すでにブログ内で多々登場しているので...

『一枚起請文』

  • 2022.11.23

 我が家は浄土宗であるが、父が亡くなるまでは実家には仏壇はなく、それまでは宗祖が法然上人であるという小学生の時に習った知識ぐらいしか持っていなかった。  父が亡くなったことをきっかけに、浄土宗について学ぶ機会を持ったわけであるが、『ただ往生極楽のためには、南無阿弥陀仏と申して疑いなく、往生するぞと思いとりて申す外には別の子細候はず』と法然上人が死の直前に遺した『一枚起請文』の中にあるように、専修念仏を教えの旨とする。  結果が出ない時、その原因の多くは、自分の努力が足りないかやり方...

さらば松本市

  • 2022.11.19

 長野県と滋賀県には、ともに国宝の城がある。松本城を一目でも見ておきたかったが、観光客を避けるため今回は見送り・・・次回以降のお楽しみにしておこう。  仕方なく、チェックアウト後まっすぐ松本駅に・・・ 写真を撮ろうと携帯を構えると、隣にいた私よりおよそ二回りも若いであろう女性から、『今時、ガラケー持ってんの?ダサッ』という心の声が聞こえてくるかのように、冷淡かつ蔑んだ目線を私は浴びせかけられる。私は、『これでも一応院長なんですけど~』と受け流す。  お土産売り場...

車窓(続編)

  • 2022.11.18

 名古屋駅から松本駅まで、特急「しなの」で約2時間・・・  車窓からの眺めは、都会のビルから徐に田園風景となり、中津川駅を過ぎてからは眼下に木曽川を望む。上流に進むにつれ、川原の石はどんどんと大きくなり、岩のようなものがゴロゴロと点在している。吊り橋も所々に架かっている。  薄暮の中、眼下に見える景色は、まさにその時の私の心持ちと似つかわしいものであった。芥川龍之介の「蜜柑」の書き出しに見られる主人公を思い出した。(「蜜柑」:芥川龍之介、2022.10.23ブログ)と同時に、幼稚園...

車窓

  • 2022.11.17

 日が昇るのがだいぶ遅くなってきた。外勤のため近江八幡へ出勤する時間は、まだ辺りは暗い。  夜明け前の琵琶湖に浮かぶ漁り火、払暁に佇む彦根城、そして帰路には薄暮の比良の山々・・・車の中から見えるこの景色を、古の人々も同じように見たのだろうか?時代が違えば、また時代が同じでも見る人が違えば見え方も違うだろう。そして同じ人が同じ景色を見ても、その時の心情により見え方は異なるであろう。  3年前に「特急しなの」の車窓から見た景色は、明日の私にはどのようにうつるのだろうか?この3年間、自分...