新聞広告から何を感じ取れるか?

  • 2022.06.28

これは昨年末のある新聞広告である。どれだけ自分自身に当てはまるだろうかと読んでみたが、そのほとんどがそのまま自分自身に当てはまるものあるいは納得させられるものであった。 己が開業を通じてやりたいことというのは、他の医師には理解できないものかもしれない。野望というよりも、成し遂げなければならないという社会的責務がマグマのように地の底から噴き出し、己を動かしているのである。つまりそれは自らの意志ではない。この極度に偏った囚われの精神によって、己は生かされているのである。父の弔いの戦という囚わ...

千年一酒造(淡路島)

  • 2022.06.26

第4土曜日は休診日ですので、休みを利用して淡路島へ行ってきました。 現在淡路島に2ヶ所しかない酒造さんの1つ、千年一酒造さんを見学させていただきました。 礼儀として、見学前には酒造さんのホームページの文章すべてに目を通し、日本酒づくりに対する想いに敬意を払います。そして、商品一覧に載っている瓶の写真から、味や自分の好みを予想したりと、マニアックな空想に耽ります。誰にも理解されない自分だけの至福の時間です。 4種類のお酒を試飲させていただきました。 4種類...

わがなすことは われのみぞしる

  • 2022.06.24

「世の人は われをなにとも ゆはゞいへ わがなすことは われのみぞしる」 下の書は、数年前に我がクリニックのスタッフからいただいた坂本龍馬の和歌である。 関節リウマチ診療はこの10~20年で大きく変化し、生物学的製剤やJAK阻害薬のように、関節破壊進行抑制効果の高い薬剤が使用可能となった。また、関節エコーによって関節リウマチの主病態である滑膜炎を正確に評価できるようになった。 それにも関わらず、未だにリウマチ専門医に通院していない患者さんが数多くおられる。これは不幸でしかない...

朝のルーティン

  • 2022.06.22

外来診療開始前、その日一日の予約一覧表を眺めながら、スタッフが患者さんにどのように関わってもらうのが良いのかを考え、そしてそれをスタッフに伝えるようにしている。特に病状の不安定な方や新規に治療を開始した方に対しては、重点的な関わりを持つよう意識している。 これは決してトップダウンではなく、「気づき」の機会を与えるための「方向づけ」である。そうすることにより、頭の中でぼんやりとしていたものが明確となり、自身のケアを再確認できるのではないかと思う。 総大将の仕事とはそのようなものではな...

退かぬ!!媚びぬ省みぬ!!(聖帝サウザー)

  • 2022.06.20

これは日本酒ではなく芋焼酎である。私は普段焼酎を飲まないが、眺めるだけでも価値のある瓶である。一口飲むと、「退かぬ!!媚びぬ省みぬ!!」というサウザーの言葉が、我が食道を熱くしながら胃へ下降するのを感じる。そして、胃の中であたかも「南斗鳳凰拳」を放たれている感覚に陥る。 それに対し、ケンシロウではなく傍観者である私は、「リーダーは省みんとあかんやろ」と心の中で嘲笑するのである。そしてその刹那、南斗鳳凰拳は無と化すのである。(主) DSC_0061 ...

もしも、気になる事があったら…

  • 2022.06.20

症状に変化があったり、新しく治療が始まって不安な事など、「ちょっと電話して聞いてみようかな?いや、今度の診察まで我慢しよう。診察中に電話したら悪いし…」そんな事はありません!そんな時だからこそ、遠慮なくお電話ください!しっかりお話を伺って、その時に必要な対応をさせていただきます。 反対に、患者さんのその後の経過を確認させていただきたい場合があります。そこで、そのような時には、こちらから患者さんに直接電話をして、確認させていただく取り組みを始めました。突然にお電話する事があるかもしれません...

ひだほまれ

  • 2022.06.19

岐阜市民病院の総合診療・リウマチ膠原病センター長の藤岡圭先生から開院祝いとしていただきました。藤岡先生は大学の三年後輩になります。「ひかりミーティング」という若手のリウマチ医が集いディスカッションをする会があるのですが、それぞれいじり役(私)・いじられ役(藤岡先生)を演じています。 下呂市にある天領酒造さんのお酒で、「ひだほまれ」という岐阜を代表する酒造好適米を使ったお酒です。一升瓶を六本いただいたのですが、今日でついに残り一本となってしまいました。 地域のリウマチ診療を担っていく...

白衣・・・権威の象徴

  • 2022.06.18

「この隧道の中の汽車と、この田舎者の小娘と、そうして又この平凡な記事に埋っている夕刊と、―――これが象徴でなくて何であろう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう」(蜜柑:芥川龍之介) 「医師が白衣を着る」―――医師になってから、というよりも医学生の頃から、あまりに当然すぎて疑う余地もなかったことである。しかし、開業してから「なぜ医師は白衣を着るのか?」という疑問が頭を擡げるようになった。自分にとっての答えを探してみたが、適当なものは見つからなかった。結論は、医師に...

我は闘鶏・・未だ木鶏足りえず

  • 2022.06.18

診察中のわが心に沸き上がるあるいは忍び寄る感情の多くは「怒」である。それをコントロールするためには多くのエネルギーを必要とするが、「凪」は決して訪れない。負の感情は判断を鈍らせ、自らの周囲にも好からぬ影響を及ぼす。そのような自分に失望し愕然とする。大横綱である双葉山が目指した木鶏の境地とはいかなるものか。それは未だ私には見えない。(主) ...