私が開業することの意味(湖北医師会報原稿)

  • 2022.10.22

 2022年4月にリウマチ専門クリニックとして開業致しました。  リウマチ科のみの単科で標榜しているクリニックは、全国でもほぼ例がないのではないでしょうか?内科医なのに内科も標榜しないことが不思議で仕方がないと思われる方が大半でしょう。しかし、私は「例がないから成功しない」と考えたことは一度もありません。  今まで自ら培ってきたものが何であるのか?自分がこれからやろうとしていることは何であるのか?すべての答えは自らの心の中にあるのであって、使命感や覚悟がどこまであるのかということに...

本日浮かんだ言葉(松下幸之助)

  • 2022.10.21

「無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。」(2022.08.30:松下幸之助と稲盛和夫)  これは商いをしている人間に限らず、医師にも当てはまるものである。むしろ、医師だからこそ、この言葉はより心に刺さるものである。  利益を追求するがあまりに、医学的に効果が不明であることを分かっていながらそれを患者さんに勧める者がいる。何も知らない患者さんからすれば、「体にいいから、絶対やった方がいいよ」と言われれば、信じてしまうのも無理はないであろう。もはやこのような者...

指示出しの難しさ

  • 2022.10.18

 私はスタッフに、「ああしなさい」「こうしなさい」と指示出しすることは嫌いだと以前にブログのどこかで書いた。それは、ホームページ上の「スタッフへの想い」でも書いたように、知らず知らずのうちにスタッフが指示待ち人間になってしまうことを恐れるからである。  私のスタッフへの指示出しの多くは、「投げかけ」である。つまり、自分自身の頭で考え、想像することを常に要求する。能動的でなければ強い組織にはなれない。今の自分に満足することなく、10年20年後も価値あるものであり続けるためには、建設的なスト...

とりあえず何でもやってみよう!

  • 2022.10.15

 昨日から、受付スタッフ一名を受付から診察室に配置転換している。決して診察補助としての意味合いではない。その心は?・・・  業務命令は、「私の横に座ってひたすら診察室の空気を感じ取ること」である。これを読んでいる方は、意味分からんと思われるかもしれない。お金払って雇ってるのに、何も仕事させずに座っていろとは、頭おかしいんちゃうかと・・・  果たしてそうでしょうか???  スタッフ全員が同じ方向を向いて仕事をするためには、患者さんとのやり取りの現場を見て感じてもらうことが大事だ...

10/20講演会(医療従事者向け)

  • 2022.10.13

 今回は、開業してから初めての乾癬性関節炎の講演会です。  他院で「関節リウマチ」と診断されるも症状改善なく当院を来院される方の中には、血清反応陰性関節リウマチではなく、「乾癬性関節炎」ということがあります。  皮疹が明らかな場合には診断は難しくはないのですが、皮疹がないあるいは軽度の場合には、しばしばリウマチ医にとって診断がチャレンジングとなります。乾癬の既往歴・家族歴、炎症性腰痛、爪病変、踵の痛みなどの付着部炎を問診および身体診察でしっかり捉えることが重要です。  私から...

野村語録・・主よりスタッフへのメッセージ

  • 2022.10.09

・感じることができなければ、考えることもできない。考える力がないということは、感じる力、すなわち感性が欠如しているということである。 ・信じてくれる人の下でこそ、能力は発揮される。 ・自分を成長させてくれる場所を選べ。 ・人は本物と出会うことによって、本物を知る。 ・中途半端な安定を手に入れている選手ほど、変わることを怖がるものである。 ・監督業とは、「気づかせ屋」 ・お前の特徴はなんだ? ・自分を理解してくれる人間は、一人いればいい。 ・人間性...

近い未来の姿が見えているか?

  • 2022.10.08

 本日、彦根の新聞に当院の広告が載った。当院のことを周知いただくための方策を、日々スタッフと考えている。まだまだ、私たちが救わなければならない患者さんがいる。今後、広告効果を検証し、それを基に新たなアイデアを出さなければならない。  3~5年後の近い将来のクリニックの姿がはっきり見えているのか?  昨日の朝礼でスタッフに問いかけた内容である。患者さんの数が増えることはもちろん大事なことである。一方で、患者さんの数が増えれば、一人一人の診察に割ける時間が減る。そうすれば、患者さんの話...

10/17講演会(医療従事者向け)

  • 2022.10.04

 今回は、リウマチ連携が趣旨の講演会です。  リウマチ診療(他の領域でもそうでしょうが・・)においては、非専門医の先生方が「正しい」と判断していることが、実は「誤り」ということがしばしばあります。これの厄介な点は、医師が「誤り」を「誤り」として認識していないということです。医師は「正しい」と思っているわけなので、患者さんもそれを信じてしまい、結果的に適切な治療介入がなされず、関節破壊が生じてしまうケースを度々経験します。  教科書には載っていない内容を、自験例を中心にまとめてみまし...

私のリーダー像の原点

  • 2022.10.01

 私は開業するまで、いわゆる「部下」というものを持ったことがない。これは、今までの私の働き方に起因するところが多いのであるが、それにも関わらず、私はリーダーのあるべき姿というものについてずっと考え続けてきた。  15年前に松下幸之助の本を読み漁ったと以前書いた通り(2022.08.30:「松下幸之助と稲盛和夫氏」)であるが、そのタイミングと一にして、当時彦根市立病院副院長であった日村好宏先生(現:天理よろづ相談所病院副院長・白川分院院長)との出会いがその原点であろうと思う。  日村...

うちのスタッフはスゴイ💛

  • 2022.09.29

 昨日、聾の方が当院を受診された。手話通訳の方と共に来院されたのだが、診察中はできる限りゆっくり話すように、また間を使うように努めた。私の声は直接届かなくとも、患者さんの表情から多くを読み取ることができるはずである。患者さんの顔面表情筋の動きに全神経を集中し、私の説明がどの程度伝わっているのか汲み取る・・・  診察が終わってからの一日の振り返りの時間・・・受付スタッフの三人から、「患者さんが帰られる際に、手話で『お大事に』ってやってみたんです。」  「えっ?」これがその時の私の正直...