指揮官の特権

  • 2025.09.20

 先日のブログに、私は一日の中で「数十」ものを指示をスタッフに出していると書いた。それは、それと同じ数だけの「決断」があるということでもある。  「決断」とは「断つことを決める」行為である。複数の選択肢の中からたった一つを能動的に選んでいるように見えるが、たった一つ以外の残り全ての選択肢を迷いなく断ち切る行為に他ならない。  決断した内容に、世の中の万人が納得する100点満点のものなど存在しない。通常65点、良くてもせいぜい70~80点ぐらいであろう。大事なことは、決断スピードを上...

安心・安定という虚像

  • 2025.09.19

 世の中の人のほとんどは、「変わらないこと」に安心を覚える。一方で私は、「変わること」に安心を覚える。その決定的な違いはどこから生まれるのか?それはやはり、経営者か否かという点であろう。  経営者を取り巻く環境は常に変化する。目まぐるしく変化する周囲の環境に順応できなければ、それは即ち組織の衰退ひいては組織の死を招くことになる。おそらく、ほとんどの人は私が言っていることを理解できないであろう。それはきっと、あなたが経営者でないからである。もし、経営者であるにも関わらず理解できない人がいた...

臨機応変

  • 2025.09.17

 「臨機応変に対応してください」この言葉は一見、現場判断を尊重したプラスの意味で使われる言葉のように思われるが、「明確な指示を出していない」ということの裏返しでもある。  指示者の仕事は「指示出し」であり、かつ幾通りにも解釈できるような「曖昧な」指示出しではなく、「一つの解釈しかない明確な」指示出しをすることである。そうでなければ、指示出しをしても期待されるものとは全く異なる結果が生じてしまう恐れがある。したがって、指示者が「臨機応変に対応してください」と言った場合には、自らの仕事を放棄...

「時間」

  • 2025.09.16

 当院でAI電話を導入してから明日で3週間が経過する。まだまだ発展途上の段階であるため、問題点を日々抽出し、契約会社とやり取りをしながら改善点を模索している。  患者さん側には新しいものに対する不安感や抵抗感、また拒否感や時に拒絶感があるが、一言で言ってしまえば、「慣れ」で解決するものである。色々な批判があったとしても、私がAI電話を導入した目的が何であるのかと考えた時に、その批判は全く気になるものではない。  皆さんは「時間」というものを日々どれだけ強く意識して生きているだろうか...

9/28 講演します

  • 2025.09.12

 9/28(日)日本リウマチ財団近畿地区リウマチの治療とケア教育研修会が開催されます。世話人の滋賀医科大学川崎拓先生より推挙いただき、私は 「 Session3 地域における関節リウマチの診療を考える~理想と現実~」の「診療所の立場から」というテーマで講演させていただくこととなっております。また、当院看護師の脇坂も登壇致します。  リウマチクリニックの identity とは? 経営者として、「クリニック」というミクロ視点ではなく、「地域(湖北→滋賀全体)」というマクロ視点を持ちながら、...

試験まで24日

  • 2025.09.11

 本日、日本ソムリエ協会 SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL 試験の受験票が届きました。いよいよという感じですね。  パート1の筆記試験では、合格に必要な知識量は十分蓄えましたので、いかに英文を読み解けるか?かつスペルミスなく正確に解答できるかがポイントです。  パート2のテイスティングは、日本酒4アイテム・焼酎2アイテムです。最近は、焼酎の小瓶アイテムを36個をテーブルに並べて脳に覚え込ませる作業の日々です。  パート3の小論文は、骨格となる専門用...

脳の錯覚

  • 2025.09.09

 本日は、私が最近しばしばスタッフに良く言うフレーズである「脳の錯覚」についてお話をしようと思う。  読者のあなたが私のクリニックに通院中の患者さんであると仮定しよう。予約日を変更しようと思い電話をかけてみたが通話中で繋がらなかったとする。数分してから改めて電話をかけたがやはり繋がらない。その場合、電話をかけた側には、「何で繋がらへんねん!」という感情がきっと生じたに違いない。  ここであなたに問う。その負の感情に果たして意味があったのか?と。あなたが電話をかけた瞬間というのはあな...

有事に備える

  • 2025.09.06

 予約制の美容院とクリニックとを比較してみる。予約外の方が来られた場合、美容院であれば断ることができる。しかし、クリニックの場合、その病状によっては断ることができない。また、美容院であれば一人当たりにかかる時間は計算できるが、クリニックの場合はやはり、患者さんの病状によっては予想以上に診察時間がかかることもある。  このように、予約制であっても、クリニックの場合常に不測の事態、イレギュラーな事態が生じる。しかし、我々は「イレギュラーなことが起きたから仕方がないよね」で済ますのではなく、「...

「真」の「剣」

  • 2025.09.02

 このブログの中で、私は仕事のモチベーションについて何度も述べてきた。モチベーションは自分の心の中、内面にしかない。  したがって、日常から「モチベーションが上がる」とか「モチベーションが下がる」とかいう言葉をよく口にする人は、モチベーションの意味の捉え方を間違っている。その人の捉え方は「内面」でなく「外面」であるからである。「内面」にあれば外的要因に左右されることなどない。その人にとっての仕事は、おそらく良く言っても「責任感止まり」であり「使命感」には至っていない。  何のために...

最近の自分

  • 2025.08.28

 最近の私は、患者さんとよく「ぶつかり」にいっている。これはどういうことか?  その最も多いシチュエーションは、患者さんが病気と向き合っていない、ひいては自らの人生と向き合っていないと私が感じた時である。それは、病気について学ぼうとすることもなく、ネットを含めた他人の石ころのような情報に振り回され、自らの人生から病気を遠ざけようとするあるいは臭い物に蓋をするような生き方を目の当たりにした時である。そして、自ら決断することを放棄し、すべての決定権を医師に委ね、それが上手くいかなかった時にそ...