リウマチだより(10月号)

  • 2024.10.04

 2ヶ月に1回、湖北および湖東医療圏の200ヶ所を超える医療機関へ送付しているリウマチだよりです。  10/24には湖北医師会学術集会で「関節リウマチ診療のピットフォール」と題して講演予定です。リウマチ診療でよくある誤解や間違いを解説させていただきます。 042f9381659074e477bd1dbaf3720019ダウンロード ...

「採点」

  • 2024.10.03

 20年以上もの間他院に通院されていた関節リウマチ(RA)患者さんが当院へ転院されることがある。その理由は転居や前医の閉院など様々であるが、長年にわたり患者さんの人生の伴走者としてRA診療を担ってこられたという事実は尊敬の念に堪えない。  翻って自らに照らし合わせた時どうであろう?以前にも何度か書いている通り、当院の借地契約は残り22年半である。私が無事にそれを全うでき、現在診ている患者さんがその時にも当院を選択されていたとした場合、どのような感情を抱かれるのであろうか?患者さんは幸せで...

JAK阻害薬の長所

  • 2024.10.02

 本日は、JAK(ジャック)阻害薬についてお話しましょう。  本邦で使用可能なJAK阻害薬は、トファシチニブ(ゼルヤンツ®)、バリシチニブ(オルミエント®)、ペフィシチニブ(スマイラフ®)、ウパダシチニブ(リンヴォック®)、フィルゴチニブ(ジセレカ®)と5剤あります。  JAK阻害薬は生物学的製剤(BIO:バイオ)と同様、非常に治療効果の高い薬剤です。ただし、関節リウマチ(RA)と診断された方が最初から使用できる薬剤ではありません。メトトレキサートなどの従来型合成抗リウマチ薬を投与...

明日10/1から2診体制です

  • 2024.09.30

 明日で開業してからちょうど2年半が経ちます。徐々にそして確実に患者さんの数は増加しております。一方で、患者数が増えるということは、ゆっくりじっくりと患者さんを診察することが難しくなることを意味します。つまり、診察にも効率が求められるということです。  広義の診療(ここではクリニック内での患者さんへのサービスすべてを指します。誤解のないように敢えて太字にしました)には医師でしかできない部分がある一方で、医師でなくてもできる部分があります。医師でなくともできる部分を、看護師や受付スタッフに...

「建築家」

  • 2024.09.29

 ある人から「一回やってみて」と言われたので、性格診断をやってみました。その判定結果が今回のタイトル名です。今回はそこから引用したものを紹介します。 「独創的・戦略的にものごとを考える上に、どんなことについても計画がある人」 「理性的で頭の回転が早く、自分の思考能力、さらに偽善や欺瞞を不思議なほどにも簡単に見透かす力を誇りと感じている」 「頭は常に動いていて、自分の周囲で起こっていること全部をひっきりなしに分析する」 「トップでいることは、孤独でもある…。このことをよく...

「先生は敢えて茨の道を選択されましたね」

  • 2024.09.25

 このタイトルは、ある方から私への言葉である。開業してから何度耳にしたことであろう・・・  これにはいくつかの意が包含されるが、各論についてはここでは敢えて述べない。  スポーツを例にとってみよう。野球にしてもサッカーにても、最終的に相手より多くの点数を取った方が勝ちである。そのためには、攻撃力を強化して得点力を上げ、そして守備力を強化して失点を減らすことが重要である。攻撃力と守備力をともにしっかりと強化できたチームが、「勝てるチーム」に近づくわけである。  「集団心理」(2...

関節リウマチと「眼」

  • 2024.09.24

 さて、臓器シリーズ第5弾です。今回は「眼」がテーマです。  このブログを読んでくださっている関節リウマチ(RA)患者の皆さん、RAの眼合併症ってご存じですか?  いわゆる「白眼」の最も外側にある膜を「強膜」と呼びます。RAでは時に(決して頻度が高いわけではありませんが)、「上強膜炎」や「強膜炎」をきたします。これらでは、眼の痛みや眼の充血などの症状がみられるのですが、炎症が強いと「穿孔(せんこう)」といって穴が開いてしまうことがあるんですね。ですので、「上強膜炎」や「強膜炎」では...

日本酒検定1級合格!!

  • 2024.09.24

 先日受検しました日本酒検定1級の結果が返ってきました。自己採点通りの88点で合格でした。  3級(2023.12.24)→2級(2024.01.22)→準1級(2024.03.09)→1級(2024.09.07)と、ついに頂点に登り詰めました。「やっと終わった~」というのが正直なところです。  あとは2週間後に SAKE DIPLOMA 2次試験(テイスティング & 論述試験)が控えています。ここまで来たらあとは合格するしかない。こんだけやって落ちたら情けないなぁ。最後の上り坂で...

関節リウマチと「血球」

  • 2024.09.22

 さて、関節リウマチ(RA)と臓器シリーズの第4弾です。「肺」「腎」「肝」はRA診療において留意しなければならない三大臓器(私が勝手にそう呼んでいますが、現にそうだと思います)です。それと同様に重要なもの・・・それが今回のテーマである「血球」です。  血球には、赤血球、白血球、血小板があります。  赤血球が減少すれば「貧血」という状態になります。貧血になると立ち眩みや全身倦怠感、それが高度になれば心臓に負担がかかって浮腫(むくみ)などの症状が出現します。抗癌剤などの投与により白血球...

「集団心理」

  • 2024.09.22

 「集団心理」とは、個々の心理と一部重なるものの、全く別個のものである。「集団心理」は個々の無意識のうちにつくられ、そして増幅する。その正体を見破ることのできなかったかつての私は、それを「オバケ」と称していた。そして、極力それと対峙することを避けていた。  経営者が「孤独」と言われる所以にはいくつかある。一つには、日々「決断」の連続であるということである。「決断」とは「断つ」ということを「決める」ことである。そして、もう一つの大きなものが、まさにこの「集団心理」にあるといっても過言ではな...